アートは哲学 その②
Instagramで表紙とあらすじを楽しむohakobunkoという
バーチャル図書室を展開している。
そこで色々な世代の方々に満遍なくイイね!を頂いた物語を小説にしたためてみた。
時代屋萬福堂の招き熊猫
江戸、明治、大正、昭和、平成、令和 と続く老舗骨董店に鎮座する
招き熊猫が銭と人情を語り尽くす物語である。
第一弾は江戸時代の萬福堂の成り立ちから。
江戸時代なのでカタカナ英語を全て封印して日本語の表現のみで書いてみる。
私は情景を頭に描いて文字に起こす表現方法を取っていることが分かった。
コバルトブルーの瞳は瑠璃色の瞳
ブロンズの髪は赤楓色の髪
このように表現した。
不思議なことに日本語で表現した方が心を多いに刺激する。
物語の中の人物の内面にグッと深みを持たせる感覚が心地良かった。
日本語は日常当たり前に使っている母国語だけれど
瑠璃色や楓色などは日常の中でそうそうは使わない日本語だ。
だから想像する。
瑠璃と楓をイメージする。
そして空と海を想う深い青と大地と緑が熟した赤が浮かんでくる。
藍色と群青色
朱色と紅色
同じブルーとレッドでも見る人によって思い描く景色は変わってくる。
日本語はその微妙な違いをも文字として表現できる器量を持っている。
作り手が差し出した作品に受け取り手が自分の感性を継ぎ足して
唯一無二の作品を完成させていく。
創作物によってそういう相互関係を築いていける歓びが
表現者の本髄なのだな~~と思ってしまう。
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