トリガーポイントと姿勢分析を組み合わせたら最強すぎた
今回の内容はトリガーポイントの
応用的な使い方の紹介をしていきたいと思います。
トリガーポイントの概要については以前の記事をご覧ください!
症状の訴えだけじゃわからないこともある
トリガーポイントの一番の利点は、
「症状を訴えている部位によって対象になる筋肉が明確」なところだと思います。
そのため患者さん・利用者さん・クライアントへの症状の聴取が重要になります。私自身、病院勤務時代から初めてみる患者さんは情報収集にかなり時間を使っていました。
しかし、実施に症状を聞いてみると、意外とうまく聞き出せないことも多く経験します。そもそも、いまいち症状がはっきりしない人も結構いるんですよね。
例えば、よくいるのは認知機能の低下があり、症状の訴えが曖昧である場合は聞くたびに違う場所を訴えることもあります。トリガーポイントは関連痛の領域がかなり広めに設定しているとはいえ、症状を聞くだけでは、アプローチする場所を絞り切れないなんてことは多いです。
また個人的な意見ですが、そもそも痛みのある方に対して、痛みについて詳しく聞きすぎるのは、症状を悪化させてしまう可能性もあるため慎重に対応しなければなりません。
案外患者さんは痛みを忘れていたのにこちらが聞くことによって、痛みを思い出してしまうこともあります。
介入前後の変化やアプローチをすること自体に意識が向いてしまい逆に相手を苦しめてしまう場合があるかもしれません。
痛みを和らげるということは、
患者さん・利用者さんがその人らしい生活に戻るための手段の1つでしかないということは念頭に置いておきましょう。
というわけで、なるべく問診でも痛みについて考えさせたくないなという場合は
トリガーポイントの利点である症状から筋肉を推測することができません。
症状の聴取ができない場合、予想される筋肉1つ1つ丁寧に硬結部位を探していくことも必要になりますが、それでは時間がかかりすぎます。
痛みが軽度な時や、患者さん自身が結構動ける場合は筋肉に一つずつアプローチしてみて痛みが取れるのかをその都度動いて確認したりもできますが、それは相手側の負担も大きのであまり使えるときも多くありません。
その場合は、運動学的な視点や医学的知識を駆使して対象となる筋肉を見つけていかなければなりません。
その1つの手段として、私は姿勢からトリガーポイントを予測しています。
姿勢分析でトリガーポイントを見つける?
姿勢分析を行うことでどうやってトリガーポイントのある場所を予測するのか。
姿勢をみる上で重要なことは重心と身体のバランスの取り方をみることです。
身体重心を直接確認することは難しいので、私は上半身の質量中心の位置で重心位置を確認しています。
質量中心の位置と身体のバランスの取り方のパターンを確認し、どこに負担が集中している可能性があるのかを予測することが重要であると思います。
これを利用して、質量中心の偏りや関節の拘束部位を見つけることができればその周囲の筋肉にトリガーポイントがある可能性があります。
身体質量中心の偏位から予測する方法
身体質量中心の偏位からトリガーポイントを予測する方法ですが、
質量中心が偏位している方向を確認する見つけることができます。
例えば安静時に身体質量中心が前方へ偏位している場合、
予測されることは重心を前に移動させる要素が強い状態、例えば脊柱起立筋の過剰使用が考えられます。または重心を後ろに移動させる要素が弱い状態、例えば腹直筋の筋力低下。などが考えられます。
もしその場で動ける人であれば、意図的に重心を前後左右に動かすことができるかも確認しておきましょう。
意図的に動かせる場合は周囲の関節の可動性は保たれていることが多く、重心の偏位の問題は、ボディーイメージや足底の荷重位置の偏位などが可能性として高くなります。
意図的に動かせない場合は、骨盤や脊柱などの身体の中心部の関節の可動性が低く、周辺の筋肉は過剰使用や不使用により柔軟性が低下している可能が高くなります。
トリガーポイントは過剰使用した筋や必要以上に伸張された筋で活性化されることが多いので、重心の位置から過剰使用されている筋を予測することはとても有用であると感じています。
関節の拘束部位から予測する方法
立位において、関節は単独では動くことはほとんどありません。私たちの身体は転倒しない事を前提に関節が協調して動くようにできています。
例えば足関節が背屈していれば転倒しないように
膝関節は屈曲したり、脊柱を伸展方向に動かすなどで前に傾いた重心を後ろに戻そうとします。
この反応は通常転倒しないようにするために無意識に起きています。
そのため、先ほどの例の場合、膝関節を屈曲させないでバランスをとるというのは、あまり多くはないと思います。
もちろんその他の関節で代償している可能性はありますが、その場合でもこの重心の前後のバランスが±0になるようにバランスを取るのが普通です。
そのバランスが崩れている場合、この場合では他の関節の代償もなく、
膝関節が屈曲していなかったり、屈曲が軽度で重心の変化に対してバランスが取れていない場合は、
膝関節の屈曲を妨げる要素(大腿四頭筋など)にトリガーポイントがある可能性があると思います。
最後に
今回は症状の訴えでは判断できない場合のトリガーポイントの見つけ方を姿勢分析を用いて紹介しました。
今回の内容はトリガーポイントの知識がない方でも
姿勢分析で問題点を見つけていく場合に有効です。
そこにトリガーポイントがあると、症状の理解も深まり、
アプローチのバリエーションも増えると思います。
トリガーポイントってどうやって臨床に応用すればいいんだろう?と悩んでいている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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