みんなが間違えやすい本当に良い姿勢を作るには?
「姿勢の改善」という言葉は巷の整体やサロンでもよく効く言葉ですね。
姿勢が改善されることで、
・身体の負担が軽減
・見た目の改善
・全身の代謝の促進
・心理面の変化
など様々な効果があると思います。
そのためリハビリの分野だけではなく、予防分野や保険外のサービスにおいても姿勢の改善はとても重要な要素であると思います。
「姿勢」と言っても人によって異なりますし、姿勢が悪い理由もそれぞれです。
ですが、良い姿勢にはある「共通点」があります。
今回はその「ある共通点」を紹介し、私が普段患者さんや利用者さんにお伝えしている良い姿勢を作るための意識の仕方をお伝えしようと思います。
良い姿勢とは、「楽」な姿勢のこと
先に結論からお伝えすると
良い姿勢の共通点とは「楽」な状態であることです。
ここで言う楽な状態とは、機能的に良い状態のことを言います。
一般的に呼ばれる「良い姿勢」とは少し違った考え方かもしれません。
なぜ楽な姿勢が良い姿勢なのかをこれからお伝えしていきます。
姿勢について〜私の考え方〜
みなさんの思う良い姿勢とはなんですか?
自衛隊員の様な背筋のビシッとした姿勢でしょうか?
モデルさんの様な背筋の通った姿勢でしょうか?
確かにこれらの姿勢は見た目が良くて、良い姿勢として見られている事が多いと思います。
でも、
それは「見た目」のだけであって、
見た目の良い姿勢=健康に良い姿勢という訳ではありません。
良い姿勢とは何か?
姿勢の良し悪しというのは、文化的なものでも異なってきますし、その人の感性でも変わってしまうものです。
そのためぶっちゃけた話、なんでもありなんですね。
ですが、健康的な姿勢かどうか。身体への負担が少ないかどうか。と言う観点で考えると、共通する部分はあります。
それが私が思う良い姿勢の基準である「楽」な姿勢であり、それがつまり機能的に適しているかという事です。
機能的な姿勢を作る声かけの方法
私は仕事柄、姿勢に関してもアプローチや助言をする事がありますが、
その時に伝えする事が
「自分が楽な姿勢で立って下さい」
と言うようにしています。
なんで楽に立つ事がなぜ機能的に良い姿勢と言えるのか。
それは私の尊敬する野口三千三先生の書籍のこの文を参考にしています。
以下引用
最大限の力を出し、最高速度や持久力を求めるためには、それぞれの瞬間には、全身の筋肉のうち、少なくとも半数の筋肉を完全に休ませていなければならない。
引用:原初生命体としての人間 野口体操の理論
「楽に立つことができている=次に動くときに十分筋力を使える」
ということになります。楽な姿勢がとれると言うことは、つまり動くときも楽に動けることにつながると考えています。
ただすでに痛みがある方や、何かしらの不調を抱えている方の場合、
今まで使っている固定された運動パターンで立ってしまっていることも多く、声かけだけで姿勢が改善できるかはわかりません。
実際難しいことの方が多いと思います。
そのため、声かけ意外にも徒手的なアプローチやエクササイズなども併用していく必要があります。
姿勢を整えてみよう〜まずは簡単な意識から〜
自分で姿勢を具体的に意識したい時は、脛骨直下への荷重を意識することがとても大切であると感じています。
脛骨直下への意識は武術家であり、科学者 でもある高岡英夫先生が提案しています。
高岡 英夫(たかおか ひでお、1948年-)は、日本の研究者・著述家・企業経営者・武術家。千葉県生まれ。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。株式会社運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長を務める。ゆる体操を提唱。
引用:Wikipedia
高岡先生の書籍では、「ウナ」と呼ばれています。
大体の方の認識では、しっかり立つ意識をすると母趾球で踏む事になりやすいと感じています。
母趾球で強く踏みすぎると、身体にとって余計な緊張を生んでしまうことがあります。そのため荷重位置を意識することはとても重要になります。
私が患者さん・利用者さんにプローチを行う場合は、意識をするトレーニングの前に、骨盤や脊柱といった身体の中心の部分が動くような徒手的なアプローチも行います。
その後に、下肢へのアプローチも加えて行った後に、先程の荷重意識をしてもらったりします。
「ウナ」で立つことで、身体全体を骨で支える感覚が身につきます。
楽な感覚が入力されることで、周りのいらない筋肉の緊張が取れてくると思います。
先ほどの声かけよりも具体的な方法になるので、ぜひ試してみてください。
最後に
今回自身で姿勢分析をまとめて整理してみて、「楽」であることがいかに大切であるかを再認識いたしました。
先ほども書きましたが、「次頑張れるのは、今休んでいる筋肉だけ」なのです。
リハビリって結構患者さん・利用者さんを「いかに頑張らせるか」みたいな風潮があるように思うんです。
一部のデイサービスなどではパワーリハビリが最近(でもなくなってますが笑)
流行っています。
それが間違っているとは思いませんが、常に頑張ることが正しくて、楽にしていることが間違っているということは絶対にないと思います。
でも実際頑張らせれば頑張らせるだけ、次に動ける可能性をどんどん減らしてしまいます。
もちろん頑張らなければいけない場面もあるのは間違いないですが、「本当に今そこは頑張らなければならない状態なのか?」ということは常に自問自答していきたいと思います。
少なくとも安静時の姿勢に関しては「楽」であることが重要だと思っています。
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