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マルチ商法 ネズミシャンプー&ネズミリンスー

マルチ商法。
それはネズミ講のやつのことでしょうか。

あなたはひっかかったことがあるだろうか。

あれは私が10代後半の頃。
カラオケ屋のアルバイト先に少し年上のお兄さんが同じアルバイトとして入ってきた。


暫く経ったある日、
彼が「美容系のイベントがあるからこない?^_^♪いろいろな商品が見られるよー^_^♪楽しいよぉ^_^♪」

フッ軽且つ、
好奇心旺盛且つ、
美容とあらば興味を示していた若かりし私は、
もらったチケットを手に握り締め、後日1人横浜スタジアムに向かった。


現地に到着。
バイト先のお兄さんがいるスタジアムの座席に合流。
彼の周りには男女合わせて7.8名ほどの仲間いた。


初めましての挨拶のあと、
何故か全員が私を必要以上に褒める


「すごく若いね!」
「すごく可愛いね!」


彼らのおでこに「嘘です」と記入されていた気もするし、
目が死んでいたのが気になったが、まぁいいかと思いあまり気にせず着席

スタジアムでの大きなショーは既に始まっていた。


盛大な音楽、
マイクを通した馬鹿でかい声。


メインパーソンたちが商品のプレゼンを行い、
商品を使った人たちが想いを語る。
この商品により幸せになった人たちが交互に登場。
その熱い想いに大衆が大きな熱い拍手を送る。

私は暫く傍観していた
ふむふむ。なるほど。
ふーん。なるほどですね。
ふむふむ。そんな商品なのですねぇ。

え、、、
ちょとまて、、、

これってもしかして、、、


なんかあの、
アムゥ、あのアムゥ、あ、アム○ェイに似たやつのあれのやつのじゃん、、、?


どうしよう、、、
私は性格的に営業マンとかではないし、、、
だから売上はたぶん作れない、、、
あと個人プレイ派だからネズミみたいな集団生活は苦手だし、、
帰りたいなぁ、、、
でも失礼な感じで帰ったら殺られるかもしれないなぁ、、、
この横浜スタジアムにいる全員今敵だもんな、、、


不安は募るが、ただマルチ商法とわかったからには帰るしか選択はない。


私はおでこに「嘘です。ネズミです。」と書いてある人たちに勇気を振り絞って言った。



「おとーしゃんとおかーしゃんによばれたのでおうちにかえりまぷ」



案外あっさりそうですか言われ、
嘘ネズミたちに手を振られスタジアムを後にした。



翌日、バイト先で勧誘ネズミ男に会う



ネズミ男は言う
「昨日はありがとう!どうだった?!^_^♪
イベントのシャンプーとリンスー●●ちゃんのロッカーに入れておいたよ^_^♪!!」



なんと図々しいネズミである。
お前のその悪ネズミだからお前はもう私のその敵ネズミである。



「おーけーです!ありがとうございます!(๑>◡<๑)」
と笑顔でネズミ男に礼を言い、 


私はロッカーへ行き、
そのネズミシャンプーとネズミリンスーをネズミ男のロッカーの中にぶち込み返してネズミのような速さで帰宅した。




翌日、

ネズミ男は退職していた。

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