個人投資家の強みを生かした ポートフォリオ 4つのポイント+6つのステップ
5月22日
第4回 長期投資家コミュニティの勉強会
を開催しました。
(更新)7月10日(日)は第6回を開催予定
第4回の冒頭で私からお伝えしたのはポートフォリオの考え方
機関投資家が作るポートフォリオ
と
個人投資家のポートフォリオ
は違う
せっかく個人投資家には機関投資家にはない強みがあるだから生かさなければ!
個人投資家がポートフォリオを考える時、
次の手順を踏みましょう!
・目的を明確にする
・自分は何が得られればうれしいか
・投資対象を決める
・運用する
ところで、
”ポートフォリオ”
って
何ですか?
”ポートフォリオ”とは
「紙ばさみ」「折りかばん」「書類入れ」という意味
「書類を運ぶためのケース」のことを表す
個々の書類を別々に扱うのではなく、書類全体をひとつの物として扱う
という意味
書類を綴じない
= 内容物をまとめているが、部分的に差し替えることが前提
差し替えることで全体で最適なものをそろえる
語源:イタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)という単語。「札入れの財布」のこと。
Portaは「運ぶ」「支える」「保つ」という意味を持つ接頭語で、Foglioは「紙」「紙幣」のこと。「紙幣を持ち歩く」=札入れの財布
だそうです。
閑話休題
〇目的を明確にする
ポートフォリオは100人いれば100通りある。
”これが誰にでも共通のベストなポートフォリオ”
などというものはない。
そこで最初に考えるべきは
投資する目的は何か
である。
主に次のようなものがあるだろう。
①短期で稼ぐ
②長期で安心して大きくする
③学ぶ(業界について、社会について)
④投資先事業を育成する
など
多分、①③④にはポートフォリオという考えは必要ではないだろう。
ポートフォリオの考え方が必要なのは
②長期で安心して大きくする
だけではないか
これ以外の目的の方はポートフォリオを学ぶ必要はないのではないかと思う。
〇自分は何が得られればうれしいか
次に自分は何が得られればうれしいか。
投資で得られるのものは以下のようなものだろう
・株主優待が得られる
・配当金が得られる
・企業の成長に寄り添い、見守る
・新たな学びを得られる
・予想が当たる達成感が得られる
どれも株式投資でリスクを取った成果として得られるもの
〇投資対象を決める
ポートフォリオを構築するとき、
株式に投資対象を絞り込まず、投資商品全体で組み合わせる。
その時大事なのは
リスク許容度を考える=どの程度のリスクを受け入れられるのか
ということ
許容できるリスク(実額、変動幅)の大きさによって投資商品が変わる
変動幅
大きい:株式、株式型投資信託、FX
小さい:預金、債券、債券型投資信託
変動幅の大きい ”株式” については後述するが、時価総額でも変動幅は大きく異なるのでその点も考慮する必要がある。
また、FXをポートフォリオに組み入れるのは違和感を感じるがw
レバレッジをかけすぎず、保有する企業の業績の為替影響を考慮すれば
機能するかもしれない。(もちろん、やったことはない)
〇運用する
現在は金利上昇およびインフレ局面であることから
株式および株式型投資信託
によって運用することを考える。
(ここが話したかったことなので、若干無理矢理持ってきたことはご容赦ください)
”運用する”
を次の5つの手順で考える
①チームを作る
②チーム全体のバランスを考える
③チームで勝つ
④分散する
⑤リスクを把握する
⑥セカンドプランを準備する
①チームを作る
・チームメンバー:
5社以上10社くらいで組み立てるのが理想
(10社=分散効果を出す最低数)
10社以上だと コストが高まる & リターンも薄まる
少額でポートフォリオを組む場合
コストを抑え少数精鋭でリターンを追及する
・メンバー候補:
30社以上程度候補企業を準備しておきたい。
常に過大評価されたり、過小評価されたり、ということがある。
その際に、入れ替えができるように準備しておく
・バリュエーション:
割高でないこと
投資する際にバリュエーションは必ず意識すること
割安になったときに買うのは難しい場合もある。
それでも現状の予想PER、3年後のPERをざっくり計算して
”3年後のPERでなら、割高感ない”
など、
現在のバリュエーションが何を評価しているのかを意識して投資をしたい。
・キャッシュポジション:
常に30%程度を確保
良い企業を見つけると買いたい欲求に勝てずにフルポジションで投資する
という方が多いようだが
長期でパフォーマンスを改善させるのは
”キャッシュポジション”
の活用である。
株価が下落したときに確保しておいたキャッシュを使って追加投資ができれば長期でパフォーマンス改善に寄与する。
また、キャッシュポジションがあることは心理的な余裕にもつながる。
市場全体がクラッシュしてもキャッシュの部分は資産が減らないのだから。
また、急にお金が必要になったときにも保有株式を売らずに済む。
②チーム全体のバランスを考える
・エースだけ、4番打者だけ を集めない
テンバガーPF:テンバガーの可能性のある企業を揃える
テンバガー候補 = だいたい中小型ばかりだろうw
中小型は分散効果が効きにくくなる(後述)
・一人(一企業)を特別視しない
PFに占める割合 1社10%程度まで
一つの企業の割合が大きい
ということは、個別の1企業への投資で勝負したいという心理状態
PF運用が崩れるきっかけを作ることになる
・チームメンバーが増えない間は投資信託を選ぶ
チームメンバーを無理に追加する必要はない。余裕資金は投資信託に投資をしておく。投資信託も優秀なメンバーの一人と考えよう。
・メンバーを増やすときは投資信託の資金をシフト
有望なメンバーを見つけて投資をしようと思ったとき、キャッシュがあれば、そこから投資をしたいと思うだろう。しかし、キャッシュポジションが縮小するとポートフォリオのリスクが高くなる。ポートフォリオ全体のリスクを大きく変えないためにも、新規のメンバーを増やすための資金は投資信託を売って、作ろう。
③チームで勝つ
チーム全体で勝利(ポートフォリオで資産を増やす)を目指す
・木を見て森も見る
下落時も上昇時も全体に目を向けることで冷静に運用が続けられる
下落時:個別 -40%も全体ではわずか -4% 個別を見直し、継続するか、追加するかを検討
上昇時:思った通り!自分を褒める チーム内のバランスとバリュエーションから一部利益確定か継続かを検討する
④分散する
ココ大事!!!
分散する基準は?
◎大型・中小型
〇内外需
△セクター・業種
ということ。
機関投資家の運用では、内外需やセクター・業種の分散が当たり前。
短期では為替影響を受けることを排除するため、
全体として外需のみ、内需のみの企業で組み立てることはないだろう。
また、トヨタとホンダの両方に投資はしない(はず)
ここで個人投資家のポートフォリオ運用で強調したいのは
大型・中小型の分散をすべき
ということ
◎大型・中小型
大型:個別企業の評価で資金が動く インデックスファンドの安定株主がいる
中小型:中小型全体で資金が動く(個人が大半のため一方的になりやすい)出来高がなく大きな波に飲み込まれる
ということ。中小型だけのポートフォリオになってはいないか?
見直してみてほしい。
〇内需・外需
為替の影響で”短期的”には変動が大きくなる。
内需・外需を少しは意識したほうが良い
外需を組み入れると、外需は大型に多いので外需を意識すれば大型を入れることにつながり、大型・中小型の分散もできそうだ
△セクター・業種
単一事業の企業は少ない 複数事業で売上や利益構成で影響は読みづらい
業種区分が意味がないこともあり(例:花王=化学?)、あまり意識する必要がないのではないか。しっかり、企業の事業内容を理解して、明確に競合であれば競合を2社投資することを避ければよい。
⑤リスクを把握する
個別企業のリスク要因はそれぞれ把握するとして、
チーム全体(ポートフォリオ全体)のリスクを図るのは
ポートフォリオのPERを把握しておく
ということでよいだろう
⑥セカンドプランを準備する
ポートフォリオが出来上がれば
”全体”で10%減るということは考えにくい
それでも10%以上減ったら
セカンドプラン発動
現金から追加投入
→個別企業の株価が大きく下落した場合はその企業へ企業への投資
または、市場全体が下落したときは
→投資信託への追加投資
まとめ!
・目的を明確に
・自分は何が楽しい、嬉しいか がチームメンバーの選別基準
・チームで勝つ!
・コストを抑え少数精鋭
・分散
以上、個人投資家向けのポートフォリオ思考(≠理論)
でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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次回の
第6回長期投資家コミュニティ
は7月10日開催予定です!
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(いつも募集が遅れるので今回は早めに募集開始)