本当に必要なものって、意外に限られていて少ない【旅行編】
自分の人生の中で本当に必要な物って、意外に限られていて少ない。物には執着よりも愛着を持つことが大事。「持っていないと不安だから」と言って物に執着するのは、心の余裕も減っていく。でも本当に自分に必要な物だけを持っていれば、自分の身と物も守ることができる。
それは、旅行の荷物で痛感した。
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カナダに留学して2年。2016年、ビザの関係で私ひとり、一時帰国することになった。
久しぶりの日本。友達と会うこと、欲しい本や文房具をたくさんゲットすること、美味しいものをたらふく食べる、コンビニと本屋巡りをするなど楽しい想像が尽きない。
日本滞在は約3ヶ月。ウキウキしながら準備を始めていく。「あれも、これも使うかもしれないから持って行こう!」と、大人が1人入れそうな大きさのスーツケースにたくさんの物を詰めて帰国。
結果、邪魔でしかなかった。
日本は人が多い、道は狭い、重い、しんどい、歩きにくい、暑い、イライラする。段差を運ぶ時は誰かに声をかけて助けてもらったけど、重い荷物をずっと持って歩くのは自分。空港内は荷物を預けられるから良いけど、成田や羽田から夜行バスで関西に向かう移動が大変。「こんなに物を詰めた私、ほんまアホ。」と心の中で毒づく。旅行前にした楽しい想像は、しんどさにかき消された。
「そんなに物を持って行っても使わへんし、しんどくなるよ。」
旅慣れしている旦那さんのアドバイスを聞き入れなかったことを今さら後悔。彼がいたら、荷物を交代で持ってくれただろうな〜と、日本に着いて数時間でホームシックになる。
日本はどこででも、何でも、安く手に入って便利。帰る時には荷物が増えることを想定していなかった。使うと思ってカナダから持ってきたものは使わずに売り、またその大きいスーツケースに本を20冊くらい入れて帰ったため、腕が抜けるかと思った。もう二度と、こんな重いスーツケースで旅行なんかしない!
カナダにまた戻り、2回目の日本帰国をしたのが2017年。1泊2日分だけのスーツケースを購入。それとバックパック。
スーツケースの中身は3枚の服と下着とお土産のみ。バックパックには普段から愛用しているラップトップ、お財布、パスポート、書籍がたくさん入ったタブレット、ノート、お気に入りの本1冊、ブランケットやタオル、手に平サイズの救急箱に、生理用品、アイシャドウとアイライナーとリップだけの最低限の化粧品。とりあえず、日本に帰るまでは問題ない量の荷物にした。
物が少ないって、こんなに楽なのか。
スーツケースは機内持ち込み可能だから荷物紛失の心配もなくて、飛行機を降りたらスーツケースが出てくるのを待たずに出口に行ける。軽くて小さいから、人混みでも気にならない。エレベーターやエスカレーターがない駅でも、楽々と運べる。移動が快適だから、心にも余裕が生まれる。使うものだけを持ってきたから、どこに何があるのかも分かっていてすぐに取り出せる。
このバックパックに入っている物が、私の幸せとお金を作り出すんやから、必要な物って意外に多くないのかも。
自分の生まれ育った国の日本に帰るとは言え、旅の途中は気が抜けない。ちょっと荷物から目を離せば盗難だってあるかもしれない。荷物が多ければ、逃げるのも追いかけるのも「とっさ」には難しい。でも大事なものはバックパックに詰めて、それさえ抱えていれば他に盗られてもとりあえず帰国はできるようにしておける。身軽でいれば心配も減るし、いざという時にも動きやすい。
物を詰め込んで準備万端もいいけど、その時々で臨機応変に対応していくのも旅の楽しさなのかなと思った。もうひとつ学んだのは、旅初心者は旅慣れした人のアドバイスをしっかり聞き入れること。