『みかんに埋もれたい』話
神保町裏路地日記(65)
2025/01/15㈬
正月に実家に帰ると、母に「買っておいたよ。」と言われ段ボールいっぱいに入ったみかんを見せて貰いました。言うまでもなく、実家にいた2日間の間にその半分以上を一人で食べました。先日の伊豆の新年会山行で沼津を訪れた際には麓の農家さんが一袋100円(一袋100円!?)で軒先にみかんを出していたので、それを買って食べました。これは妻の分もあるので、まだ全部食べてはいません。
みかんがあるとついつい手が出てしまいます。と言うか、あるみかんは全て食べてしまいたい衝動に駆られるくらい、みかんが好きです。「ビタミンCや食物繊維が豊富だから食べたい」とか言うレベルではなく、「出されたみかんは食い尽くす」と言うくらい好き。だから店にみかんは置きません。お客さんに出す前に僕が食い尽くしてしまうから。
みかんを『密柑』と各由来は、『蜜のように甘い木』という意味があるそうです。中国から伝わってきたときに、他の柑橘類よりもよっぽど甘かったからだとか。初めて口にした人の感動は計り知れなかったろうな。「うおおこれやべぇ!」って、取り乱したに違いない。
みかんにも色んな種類があるそうですが、一般的なみかんと言えば『温州みかん』が有名です。中国浙江省の温州地方が発祥とする説があるそうです。小さい頃はこれを『うんしゅう』とは読めず、どうしても「『おんしゅうみかん』が好きでさぁ」と言ってしまって恥ずかしい思いをしました。
千葉県もみかんの産地として地味に知られていて、主に鴨川市や南房総市の方で収穫されるそうです。この辺りではレモンなんかもあるから、やっぱり温暖な気候なんだなぁなんて思ったりしますが、先日の伊豆半島でもみかんが鈴なりでした。元々のみかんの一大産地は和歌山県や愛媛県ですから、『島』とか『半島』とみかんの相性って良いのでしょうね。
ちなみにみかんの花言葉は「純粋」「愛らしさ」「清純」「親愛」「花嫁の喜び」といった意味があるそうで、いかにもと言った可愛らしいイメージです。一心不乱に食べ続ける僕も純粋と言えば純粋。
今日の話のネタにみかんを選んで何を書こうかとダラダラと書いていましたが、そう言えば「お仏壇のお供え物ってみかんだよな」と思い始めました。鏡餅の上に乗せてあるのもみかんです。あれ?神様ってみかんが好きなんだろうか?と考え始めた僕。
調べてみるとやはりそういう考察をしている人はいるもので、先ほど『温州みかんは中国からの伝来です。』と書きましたがその更に昔から『蜜柑』と言うよりは『柑橘』自体は存在したようで、それは神話の時代まで遡って行くらしい。日本の古代神話の世界では柑橘類は長寿を招く、不老不死の象徴だったという話まである。
確かに食物の確保が難しかった時代、深刻な栄養不足に悩まされる人々にとって食物繊維とビタミンが摂取できる蜜柑(柑橘類)は貴重だったろうなと言うのは想像しやすい。なんだかとっても有り難い食べ物のような気がしてくるなぁ。だからといって食べるのが勿体ないなんて思うことはなく、今も目の前にみかんがあれば思わず手にとって口に入れたくなる。結局、そのくらいみかんが好きですね僕は。
※この考察は面白いと思いました。興味がある方是非