詩のご紹介 308 こども部屋(小黒恵子詩)
こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
今日は、月刊 こども部屋(こどものためのおとなのほん)に掲載されていた詩をご紹介します。
月刊 こども部屋は、1959(昭和34)年頃から、株式会社 こども部屋社で発行されていた月刊誌です。タイトルには「こどものためのおとなのほん」という副題がついています。
小黒恵子は、1960(昭和35)年頃、渋谷で喫茶店「ラ・セーヌ」を経営しています。そして、1961(昭和36)年~1967(昭和42)年は、サトウハチロー氏に師事し、詩を勉強しています。1966(昭和41)年~1971(昭和46)年頃には「月刊しぶや」「月刊渋谷手帖」「月刊渋谷」に執筆し、その後1972(昭和47)年~1976(昭和51)年頃まで「こども部屋」の巻頭に「今月の詩」として、詩を掲載しています。
月刊 こども部屋 1972年5月号(株式会社こども部屋社/通算167号 1972年5月1日発行)の記事は、下記の通りです。
1)今月の詩……小黒恵子
2)親が変われば子が変わる……鈴木鎮一
3)おもちゃのなかにおもちゃはない⑤……真壁博
4)四才児の体力のつけ方……小野清子
こどもニュース
5)アメリカの新しいお母さん……ルビン博士=山下千賀子訳
6)おたずねします・おこたえします
マイナス一才児・妊娠中のじんぞう病は?
大変厄介な病気です……奥村裕正
0歳児・人みしりのはげしい男の子
人見知りおそ成長です……平井信義
一才児・一年を過ぎても歯が生えない子
レントゲンで診て下さい……落合靖一
二才児・テレビの刺激が心配です
テレビ以上の楽しみを……波多野勤子
三才児・ひとり歩きが心配な女の子
お家族で外へ出ましょう……桂広介
四才児・わんぱくで困るひとりっ子
良いこと悪いことの区別をはっきりと……内山喜久雄
五才児・幼稚園に行きたがりません
楽しく送り迎へしてやりましょう……横山雅臣
六才児・口答えのひどい娘
我慢を教えましょう……河野良和
七才児以上・あまったれで困っております
お母さまがまずかまってあげなさい……品川不二郎
7)白い部屋(新企画-こども部屋が贈る白いページ
お子さんの楽しいらくがきで成長記録にもなります
おとうさん・おかあさんは考える
先生の略歴
小黒恵子 詩
五月の風が
少年の頭を くすぐって行きます。
少年は 魔法のメガネをかけて
いたずらな風を みつけました
風たちは ガラスの服をきて
口笛ふいて 大急ぎで走って行きます。
にれの木の下で いま
牛の赤ちゃんが 生まれたんですって
でも少年は
風といっしょに 行けませんでした
落してしまった パンジーの花帽子を
さがしているのです
ちょうど同じ昭和47(1972)年に出版された「詩集 エメラルドの約束」の「ジャスミンの花帽子」という作品と似ている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、「月刊誌 こども部屋」6月号(1972年)から、子ども向けの詩をご紹介します。(S)