詩のご紹介6 夢(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで
こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
今回の詩は、「夢」です。
「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。
まずは「目」から。
夢
~ユトリロの絵のなかで 「花衣」より~
小黒恵子作
雲か霞か 流れに見えたのは
なんと 音もなく飛ぶ
蝶の大群
そのとき
風の音が 聞こえた
風束 は
風速 になって
蝶をのせた 風のジェット機は
ハンドルを 進路に向けて
まっしぐらに 飛び去った
幻の蝶をのせた
幻の風は
どこへ行くのだろう
風の 通り過ぎたあと
紺碧の海岸は
次第に 霧につつまれて
そのとき
サモトラケの 二ケ像が
真白い雨翼を いっぱいに拡げて
天を 目指して
飛び立つのを見た
次は「耳」からお聴きください。
朗読:大森寿枝
最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
次回の詩は「女豹」です。(S)