詩のご紹介25　魔女と箒（小黒恵子作）　～ユトリロの絵のなかで

こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
　今回の詩は、「魔女と箒」です。

「詩集：ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

　まずは「目」から。

魔女と箒
～ユトリロの絵のなかで　「かもめ」より～
小黒恵子作

－－ドイツ女は　掃除がお好き－－
掃除と言うと　箒
箒と言うと　魔女

魔女の　好きな箒は
秋の野にそよぐ　銀いろの波
すすきの穂

この季節になると
月の美しい　晩
魔女は　絹のガラスの服を着て
そろって　旅に出ます

雲のように　柔らかい
すすきの箒に　またがって
星に向かって　飛んでいくのです

そして
希望という名の
すばらしい　宝石を持って
帰って　くるのです

魔女と言う　イメージからは
離れている　ドイツ婦人
でも　魔女になれるのです
女は　誰でも

魔女は
今日を掃いて　明日を迎える
希望の女

やはり　魔女には
箒が　必要なのです

　次は「耳」からお聴きください。

　朗読：大森　寿枝

　最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
　次回の詩は「バラとピアノ」～かもめ～です。（Ｓ）