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詩のご紹介 332 こども部屋(小黒恵子詩)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、月刊 こども部屋(こどものためのおとなのほん)に掲載されていた詩をご紹介します。

 月刊 こども部屋は、1959(昭和34)年頃から、株式会社 こども部屋社で発行されていた月刊誌です。タイトルには「こどものためのおとなのほん」という副題がついています。

 小黒恵子は、1960(昭和35)年頃、渋谷で喫茶店「ラ・セーヌ」を経営しています。そして、1961(昭和36)年~1967(昭和42)年は、サトウハチロー氏に師事し、詩を勉強しています。1966(昭和41)年~1971(昭和46)年頃には「月刊しぶや」「月刊渋谷手帖」「月刊渋谷」に執筆し、その後1972(昭和47)年~1976(昭和51)年頃まで「こども部屋」の巻頭に「今月の詩」として、詩を掲載しています。

 月刊 こども部屋 1974年5月号(株式会社こども部屋社/通算191号 1974年5月1日発行)の記事は、下記の通りです。

1)今月の詩……小黒恵子 
2)気になること その10……緒方安雄
   オナニー(自慰)
3)あたまの整理・こころの体操/その19……筧三智子
   はなしあい
4)あんな母さん・こんな子 その6……黒田芳草
   一人っ子
  こどものコツ(1)(2)(3)(4)
5)おたずねします・おこたえします
  マイナス一才児・初産後の神経症
           機能的疾患ですから完治します……奥村裕正
  〇才児・首が坐りません
         首の坐りは運動機能の発達指標です……巷野悟郎
  一才児・アトピー性皮膚炎
           無用な刺激はさけ、気長に……。……山本一哉
  二才児・ドモリを直すには
          落着いて話を聞いてあげましょう……河野良和
  三才児・イビキをかきます
          口呼吸の原因をつきとめて下さい……山本高治郎
  四才児・赤ちゃんに戻りました
               お子さんの心の安定を……平井信義
  五才児・転学について
          まず第一に強くたくましい子に…  ……深谷和子
  六才児・入学前の読み書き
            「自然に学ぶ」家庭環境作りを…横山雅臣
  七才児以上・近視を予防するには
             丈夫なからだと正しい姿勢を……宗保人
6)こどものコツ(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)             

                       小黒恵子 詩
てんとう虫

仔馬がはねる
蝶がとぶ 密蜂がとぶ
ライラックの 匂いにつゝまれた
まばゆい 五月の草原

てんとう虫を 掌(てのひら)にのせると
あわてて 指先に逃がれ
ふるえる羽で 風の中に消えた

掌にのこした
くすぐったい 感触
幼い日の くちづけにもにて

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、「月刊誌 こども部屋」6月号(1974年)から、子ども向けの詩をご紹介します。(S)

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