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No.490 小黒恵子氏の紹介記事-56 (エジンバラ公が来日)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏の紹介記事 をご紹介します。

エジンバラ公が来日

 エリザベス英女王の夫君、エジンバラ公フィリップ殿下が三十一日午前、成田着の日航機で来日した。エジンバラ公の訪日は世界野生生物基金(WWF)総裁としての私的なもので、十一月四日まで滞在、天皇陛下や鈴木首相ともお会いするほか、世界の野生生物保護を訴えるため自ら募金活動にも参加される。

◆野生動物保護しよう
  ― 上野動物園で早速自ら募金
 エジンバラ公は同日午後、早速、東京・上野動物園を訪れ、パンダなどを見学するとともに、自ら募金活動の先頭に立たれた。
午後三時十分、親子連れなどでにぎわう同動物園正門に到着したエジンバラ公は、浅倉繁春園長らの出迎えをうけた。グレーのスーツにグレーのネクタイ。いかにも、英国紳士らしいスラリとしたエジンバラ公の姿に、約三千人の人たちが同基金のシンボルマークの緑地にパンダを図案化した小旗を振って歓迎。保谷市の児童合唱団「みずうみ」の子供たちが、動物愛護の歌「やあ、こんにちは」を披露すると、エジンバラ公もにこやかに右手を上げてこたえた。
園内では浅倉園長の案内でまずパンダ舎を見学したが、ちょうど「ホアンホアン」が昼寝から起き出したところ。エジンバラ公は目を細めながら、「近く、おむこさんが来るそうですね」などと浅倉園長に話しかけた。続いて近くのゾウ舎前で、パンダ親子をかたどった同基金の募金箱に、自ら五百円硬貨五枚を入れて募金のPR。飼育係に抱かれて、このデモンストレーションに“参加”したケープペンギンやヨザルの赤ちゃんを見つけると、思わず「ラブリー」。帰りぎわには「お客さんが多くて結構」などと動物園に対する感想を述べ、親子連れたちに「シー・ユー・アゲイン(また会いましょう)」と気軽に声をかけていた。
エジンバラ公は、同夜、皇太子殿下ご一家と会食された。エジンバラ公は昨年五月、野生動物保護のための民間募金団体であるWWF(本部・スイス)の総裁に就任、今年はすでに十二か国を訪問し、野生動物や熱帯雨林の保護を訴えている。今回の訪日は、WWFに加入している日本からの寄付金が先進諸国の中では極端に少ないことから、わが国での世論喚起や募金の推進を訴えるのが目的。
エジンバラ公は四日までの滞在中、チャリティーパーティーへの出席、内外記者団との会見、北海道のウトナイ湖でのバードウオッチング、釧路のタンチョウ保護増殖センターの視察など、WWF総裁として精力的な日程をこなされる。WWF日本委員会では世界の野生動物を救うため寄付を募っている。郵便局からの振り込みで〒101 東京都千代田区外神田四の八の二 ヤマキビル五階「世界野生生物基金日本委員会」、口座番号=東京0-95257へ。千円以上の寄付にはパンダのバッジが送られる

読売新聞 昭和57年(1982年)11月1日  

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1982(昭和57)年の新聞の紹介記事をご紹介します。(S)

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