熊猫を連れて帰る
毎週月曜日は旅の記録を書いています。
個人的な思いだけれど、近くの国だけど海外って感じがしない、中国。
それは、小学生の時に何人か転校してきた子たちだったり、大学で勉強した第二外国語だったり、転職して初めて配属されたのが、政治的な背景に翻弄され中国で暮らしていた方々を助ける仕事だったからかも知れません。
いやむしろ、漢字が由来しているとか、歴史で習った紙の製法やら、陶器の製法などが日本に伝えられたことが印象に残っていて、愛着を感じているのかも知れません。
とはいえ、中国といえば、パンダという方は多いと思います。僕もその一人です。(ちょっと急でした。)
あの愛らしいぬいぐるみのような動物が、友好のしるしとして外交に最大限に活用されているのは、あまりにも有名です。
そんなパンダを見に行った、中国での思い出を。この旅は、同行した友人とともに帰国したら体重が減っていた、という思い出もありました。
さて、成都という都市に、パンダ基地と呼ばれる、中国の一大パンダ飼育地があります。
この基地では、人工繁殖による赤ちゃんパンダから、幼稚園と名付けられた飼育場所があったり、とにかくパンダだらけ。
パンダは中国の固有種だと思うのですが、なぜ中国の限られた場所だけに生息しているのか、そういえば不思議なことですね。
幼稚園はこんな感じで、とにかく可愛い。動きがトロンとしていて、集まって遊んでいると、ぬいぐるみを動かしている人がいるんじゃないかと思うくらい。
リアルたれぱんだ。
面白かったのは、この基地に来ていたさまざまな旅行者が、一様に「パンダ!パンダ!」と言っていたこと。
ふつう、海外の動物園などで動物を眺めていると、「お猿さん!」「モンキー!」みたいな日本語と英語みたいなことがあるのですが、パンダは世界共通なんですね。
でも、中国語ではパンダは熊猫。発音も「シュンマオ」と、全くパンダ感はありません。なんでですかね。パンダが後づけなんですね。
レッサーパンダ、英語でlessorだから、なるほど小さいパンダなんですね。白黒のパンダは、本来はジャイアントパンダなので、レッサーと区別されているのですよね。
成都の街は、パンダの街。街中を走るパンダタクシーは、車体は緑色で、パンダの姿がボンネットに書いてありました。夕食に行ったレストランの箸置きもパンダでした。
ぬいぐるみ好きの友人は、パンダのぬいぐるみもチェックしていました。
道端にいる、すごい勢いで声をかけてくるお土産屋さんの誘いに乗って、小さなパンダのぬいぐるみを買っていました。そのぬいぐるみは手のひらより小さな、カバンにキーホルダーでぶら下げるようなサイズ感でした。
その人は、外貨が欲しいのか、「日本の、千円札で、いいんだ!」と、友人に熱心に声をかけていました。
千円が欲しい売り手、千円は払いたくない買い手、・・値切りではなく、小さなぬいぐるみを“増やす”作戦が始まったのです。
はじめ10個くらいだったのですが、友人が渋ると、ひとつ、またひとつと増やしていったのです。横で見ているのも、面白そうだったのですが、自分の荷物もあったので、僕は先にバスに戻っていました。
「みんなに配るお土産ができたよ。」
バスに帰ってきた友人は、たくさんのぬいぐるみを抱えていました。たしか、20くらいあったでしょうか。友人のホクホクした顔に驚きました。しかし、ぬいぐるみ好きの友人は、心許してはいませんでした。
「あんまり可愛くないんだけどね」
さすが。
そういえば、この友人、ぬいぐるみを買う時には、売り場のぬいぐるみたちの顔を全て見て吟味していました。
雨上がり、街なかのパンダのモニュメントに虹がかかりました。
いい旅でした。・・痩せたけど(笑)