詩のご紹介125　大きなリンゴの木の下で（小黒恵子作）　～モンキーパズル～

　こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

　小黒恵子最後の詩集となる「童謡集：モンキーパズル」では、野に咲く小さな草花や虫を歌った詩から、サバンナで繰り広げられる鳥獣の死闘の詩まで、色々な詩が含まれています。
　今回は、「大きなリンゴの木の下で」～Ⅰ～　です。

「童謡集：モンキーパズル」については、下記をご覧ください。

大きなリンゴの木の下で
～モンキーパズル　Ⅰより～
小黒恵子　作　

大きなリンゴの　木の下で
雨がやむまで　待（ま）ちましょう
誰（だれ）にも聞けない　遠い日の
昔（むかし）の話を　聞きながら

　　　　　　　　　遙（はる）かな野原　山こえて
　　　　　　　　　　　道に迷（まよ）った　旅人（たびびと）や
　　　　　　　　　　　馬車でとおった　花嫁（はなよめ）が
　　　　　　　　　　　風にドレスを　なびかせて
　　　　　　　　　　　まっかなリンゴを　たべたこと

大きなリンゴの　パラソルで
雨がやむまで　待ちましょう
小鳥がはこんだ　珍（めずら）しい
世界（せかい）の話を　聞きながら

　　　　　　　　　絵本で読んだ　美しい
　　　　　　　　　　　みどりの羊（ひつじ）の　かける島（しま）
　　　　　　　　　　　雲より高い　山に咲（さ）く
　　　　　　　　　　　笛（ふえ）を静（しず）かに　吹（ふ）くと言う
　　　　　　　　　　　名前も知らない　花のこと

雨がやむまで　待ちましょう
大きなリンゴの　木の下で

　ＮＨＫの「みんなのうた」で、1989（平成元）年4月～5月に放映されています。＜ダ・カーポ＞

　最後までお読みいただき、ありがとうございます。
　次回は、「神父さんの帽子」（童謡集：モンキーパズル　～Ⅰ～）をご紹介いたします。（Ｓ）