詩のご紹介245 たんぽぽの季節(小黒恵子作)
こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
今日は、合唱組曲「草笛のうた」~ふるさとは多摩川~ という合唱曲集の中から、第2作目の「たんぽぽの季節」をご紹介します。
小黒さんは、今までの詩からもわかるように大の動物好きとして知られています。また、自宅(小黒恵子童謡記念館)が多摩川のすぐそばにある、ということもあり、多摩川の自然をこよなく愛されていました。「東京の多摩川に鮭よ帰れ」という願いをこめて、「ふるさとは多摩川」という副題をつけられています。
組曲の副題でもある“ふるさとは多摩川”--その多摩川の辺りで、クラウンの少女たちがこの歌を高らかに歌ったあの雪降りしきる日を、私はこれからも忘れないでしょう。1984年2月26日、“東京にサケを呼ぶ会”が鮭の稚魚30万匹を多摩川に放流して、自然への回帰を願ったあの日の思い出は、凍(い)てつく寒さとはうらはらに、心暖まるかけがえのない思い出として、私の心のなかにこれからもずっと生きつづけていくにちがいありません。
と、作曲者の湯山昭さんは、書かれています。
たんぽぽの季節
小黒恵子作詞/湯山 昭作曲
たんぽぽ たんぽぽ たんぽぽは
春のやさしい あかりです
野原にたんぽぽ 咲く季節(ころ)は
心のなかにも たんぽぽが
綿毛(わたげ)に希望の きらめきのせて
光にむかって 飛んで行く
春の嵐が 吹きすさんでも
やがて大地に 根を下(お)ろし
小さなあかりを ともすでしょう
たんぽぽ たんぽぽ たんぽぽは
春をやさしく うたいます
ふるさと離(はな)れる その日には
父から母から 贈られた
誇りと愛と 勇気をのせて
未知なる世界へ 旅に出る
春の嵐が 吹きすさんでも
やがて大地に 根を下ろし
微笑(ほほえ)むあかりを ともすでしょう
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
次回は、「草原のうた」~ふるさとは多摩川~ の中より「美しい朝」をご紹介いたします。(S)