見出し画像

詩のご紹介178 サンドリエ(小黒恵子作) ~エメラルドの約束

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回の詩は、大人の詩集第2作目「エメラルドの約束」から、「サンドリエ」(サンドリエ)です。

「詩集:エメラルドの約束」については、下記をご覧ください。

まずは「目から」。

サンドリエ
~サンドリエ 「エメラルドの約束」より~
小黒恵子作 

サンドリエなんて言うと
すてきなひびきと
ほのかなロマンの漂う灰皿

ゴージャスなものから
鞄 バケツ トイレの形の珍品
避暑地で芸術家ぶって作った楽焼の灰皿
裸足の渚で
二人で拾った貝殻の灰皿
等々………

いつも二人の間にあるのは
灰皿とコーヒーと言葉
愛をいろどる季節の花と音楽

たのしいこと うれしいこと
くるしいこと かなしいこと
二人の愛の歴史を知っている灰皿

時には愛の言葉が溢れ
時にはけんかして
時にはかたい指切りをして
時には嘘つきになって
時には涙の粒を燃やした灰皿

喜びの涙 悲しみの涙 オレンヂ色の涙
ブルーの涙 燃える涙 冷たい涙
ほんとの涙 嘘の涙 甘い涙 苦い涙

女って幾粒の涙の首飾りをしたら
気がすむのでしょう
ねぇ そうでしょうサンドリエさん

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「わたしの灰皿」(「エメラルドの約束」~サンドリエ~)です。(S)

いいなと思ったら応援しよう!