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No.497 小黒恵子氏の紹介記事-63 (自作の詞、碑に)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 様々な新聞記事等をご紹介しています。今回は、新聞に掲載された小黒恵子氏の紹介記事 をご紹介します。

自作の詞、碑に 「モンキーパズル」の小黒さん

 川崎市高津区諏訪一一一、作詞家小黒恵子さん(五五)が作詞した童謡「モンキーパズル」の歌碑が、モンキーパズルの木のある静岡県熱海市伊豆山岸谷に完成、あす四日、関係者が集まって除幕式を行う。小黒さんが、珍しいモンキーパズルの木を探しているうち、伊豆山の電気会社社長牛島祐基さん(五七)方にあるのを知り、これがきっかけになって牛島さんが、「良い歌だし、伊豆山の観光PRにもなる」と、自費で歌碑を建立したもの。除幕式に招待された小黒さんは、当日、牛島さんと初めて顔を合わせるが、自作の歌が取り持った交流に、「作詞家みょうりに尽きます」と喜びいっぱいだ。

◆あす熱海で除幕式
 モンキーパズルの木は、アローカリア科で、チリ松とも呼ばれる。トゲが多く、猿がどこから登るのか頭を悩ますだろうー ということから、名付けられたという。杉の葉を大きくし、キツネの尾に似た形の葉先に、大きな実がたれ下がり、踊っているような枝ぶりが特徴。
 国内では、大正四年に渡辺子爵家で熱海市咲見町の別荘(現ホテル静観荘)に植えたのが最初といわれている。しかし、ここも昭和四十年代初めに伐採されてしまい、今は三島市内や浜松植物園などに数本あるだけという。そのうちの一本が牛島さんの会社駐車場わきにあるが、これは渡辺子爵家から分けてもらったものだそうで、高さ十二㍍の約三十年生。
 小黒さんの童謡は、九年前、スイスのアルプス山ろくで、この木に出会った時の印象を元にもとめた夢いっぱいの楽しい歌。今年六、七月、NHKの「みんなのうた」で紹介され、全国の子供たちに口ずさまれた。
 歌碑の話が持ち上がったのは、テレビ放映用のアニメを作ろうと、木の写真を探していたところ、今春、専門誌に牛島さん方の木が紹介されているのを小黒さんが見つけ、連絡したのがきっかけ。
 伊豆山地区は源頼朝と北条政子のロマンスで知られる伊豆山神社もある温泉地だが、最近、不振を極めており、「観光資源になれば」と牛島さんが碑を建てた。
 除幕式当日は、伊豆山観光協会や熱海市などの関係者約八十人が参加。熱海少年少女合唱団が「モンキーパズル」の歌を合唱して式を盛り上げる。また、牛島さんが育てた苗木二十本を小黒さんら出席者に配り、モンキーパズルの木を広げる計画だ。
 小黒さんは「一本の木と歌で、こんな広がりができるとは。本当にうれしい」と、話している。

読売新聞 昭和59年(1984年)11月3日 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 次回は、1984(昭和59)年の新聞の紹介記事をご紹介します。(S)

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