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詩のご紹介268 寒椿(小黒恵子作)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、歌曲集「花ものがたり」(三木稔作曲)から、第2作目は「寒椿」をご紹介します。
 前書きには、次の様に書かれています。

 花にはそれぞれの思い出があります。
 そして花には物語があります。
 この歌曲集《花ものがたり》の詩のなかには、私の花への思いが、織り込まれています。
 歌曲集《花ものがたり》は、私にとって2回目の芸術祭参加作品です。1回目は日本ビクターの委嘱による昭和47年度の芸術祭参加作品、童謡《ハダシとハダカ》--野原のなかまたち--でした。
 花は人生に彩を与えてくれる、なくてはならない美しくやさしい友達です。
 花には心があります。生命があります。
 私はときどき花と対話することがあります。
 そのとき互いに心のベルが響きあうのを感じるのです。
 この歌曲集《花ものがたりは》は、花たちに贈る私の愛の讃歌です。
 三木稔先生の作曲は、それぞれの花の詩に色とりどりの、きらめく生命を与えて下さいました。14編の花々と共に深く感謝してやみません。

                          1996年10月16日
                            小黒恵子
寒椿
小黒恵子作詞/三木稔作曲

凛として 寒椿
自然の厳しさに 耐えて咲く
燃える 紅(くれない)

女人(ひと)もまた
苦しみと悲しみを 越えたとき
凛として 咲くのでしょうか

ハッとして 美しく
ハッとして 鮮やかに

微笑みかけた 蕾は
生きる悦びを 静かに抱いて
明日(あす)を夢見る
凛として 寒椿
自然の厳しさに 耐えて咲く
燃える 紅

 最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
 次回は、歌曲集「花ものがたり」 の中より「藤舞い」をご紹介いたします。(S)

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