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豆苗で日常の幸せを思う

療養中、友人に勧められて、凪のお暇っていうドラマ化もされた漫画を読み始めた。ストーリーはともかくとして豆苗が妙に(あれイン踏んでるみたい)フューチャーされているので、スーパーで手を取るようになり、料理した後は漫画に書いてあるようにお皿に切り落とした根を水に浸して、育ててみた。すぐに二回目の豆苗を食べることができて感動した、これは無限に豆苗を食べられるかもしれないという変なワクワク感とともに三回目を育ててる間、水をやり過ぎたのか根にカビが生えてしまい泣く泣く捨てた。漫画みたいに花を咲かせて実をつけるまで育ててあげられなかった。

先日、叔父が急に亡くなり母と実家に帰り手続きやら葬儀やらでバタバタしていて、家のことは夫に任せきりにしていた。葬儀を終え、ウチに帰ると台所には夫が作った豆苗の味噌汁があった、野菜嫌いの娘と息子も豆苗は好きで食べてくれるから週末に買い出しして作ってくれたのだろう。

翌日。仕事から帰ってきて久しぶりに落ち着いて台所に立つと、わたしとほぼ入れ違いで出張に行った夫が、切り落とした豆苗の根をお水をはったお皿に入れてくれていることに気がついた。こころの病気になったわたしが急に観葉植物を育てたり、豆苗を育てているのを夫は内心どう思ってるんだろうって思っていたけれど、豆苗をみて、ただわたしはわたしでいることを尊重されていると実感した。

こころの病気、退職、療養、転職、叔父の死によるあらゆる手続きが自分に降りかかり、思いも寄らないことばかり起きることを悲観的に思っていたけれど、わたしには愛する家族がいて、夫は優しくて娘と息子は本当にかわいい、家の外ではいろんなことが起きるけれど、家族で一緒に過ごすただの日常が何よりも幸せだと気づいた。もうほとんど泣きそうなくらい幸せだと思った。




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