「視座を上げる」とは、〇〇を抜き出すこと
こんにちは!
OGSシニアコンサルタントの深石です。
先日、弊社の幹部メンバーで、
「視座上げ研修」を受けました。
よくビジネスシーンなどで、
「視座をいかに上げられるか」
「〇〇さんはとても視座が高い」
などといった会話が繰り広げられますが、
皆さんはこの「視座」をどう定義されてますか?
ちなみに、私個人としては、
「視座が高い」状態とは、
・中長期的な時間軸で物事を捉えられている
・部分最適ではなく全体最適で判断できる
といったイメージが強くありました。
中長期的な時間軸で、物事を捉えるというのは
会社の新卒採用活動などが挙げられます。
例えば、事業規模を大きくさせようと
波に乗っている会社があるとします。
この会社の社長はすぐに「即戦力」となる人を
採用しようとするはずです。
しかし、長期的な目線で見ると、「即戦力」よりも
人財環境を整えてくれる人事や、
離職率を下げるれる、事評価制度の導入などの方が
大切かも知れませんよね。
また、部分最適よりも全体最適というのは、
マネージャー層の人などが挙げられます。
例えば、成果を出し続けて
部下からも慕われているマネージャーがいたとします。
一見素晴らしい人財に見えますが、
企業理念や会社のバリューに背いた行動ばかりしていると、
部分(部署単位)ではうまくいっているように見えても
全体(会社単位)でみたら
雰囲気を乱しているかも知れませんよね。
つまり、他部署の人は快く思っていない状態です。
もちろん、これらの概念や定義も、
視座の高さを定義する要素ではあると思います。
ただ、先日の研修では、
「視座」そのものの定義や概念、捉え方を、
改めてアップデートできた貴重な時間でした。
■ 「視座が高い」状態とは?
視座が高いと言っても、いろんな捉え方ができると思います。
研修では以下のような内容に集約されていました。
「物事や事象の構造を理解し(構造化して捉え)、
その本質的構造をシンプルに抜き出すこと」
ということです。
この概念、皆さんイメージできますでしょうか?
例えば、
私は、上記でお伝えした通り、
視座が高い=時間軸の長さや全体最適というイメージが
以前は強くありました。
しかし、その解像度をさらに高くすると、
それは、
①物事の構造を理解できているか
②その構造から本質的要素を抜き出せるか
ということに集約されます。
上記の2要素をしっかりと体得できていれば、
当然ながら中長期の時間軸や全体最適での判断が
可能となりますし、何よりも、
「仕組み(=構造)」や「本質」を理解できている状態
になることで、
どのパラメーター(変数)がどこにどう作用しているかを
より鮮明に掴めるようになるため、
事業成長のKSFを精度高く見出だせることに直結します。
■人の上に立つなら「視座の高さ」は絶対にいる。
この「視座の高さ」は、
経営者や事業責任者は言うまでもありませんが、
チームを成長に導く役職者やリーダー全員にとって
欠かすことのできないスキルや要件です。
それはなぜか?
なぜなら、チームやメンバーを成長に導く際に、
リーダー自身が事業構造を理解できていなければ、
先述の通り事業成長のKSFが見出だせないから、です。
これはOGSにおいても、
人事評価制度トレーニングやコンサルティングの場面で
必ずお伝えしていることですが、
KGI達成に必要なKSFを見出すためには、
事業を俯瞰的に捉え、変数と定数に因数分解できるか否か、
とにかくこれに集約される、ということです。
これがもしできないリーダーだとすると、
・事業成長のKSFが見出だせない
・具体的指標(KPI)も見出だせない
・各メンバーの目標設定もできない
・各メンバーの役割(責任)も曖昧になる
・チームのKGI達成の算段(ロジック)も曖昧
・部署KGIや全社KGIも未達になる
・会社に適正な収益がもたらされない
・メンバーの評価や報酬も下がる
・メンバーの不満や離脱が頻発する
・会社の雰囲気やリソースが悪化する
・さらに業績が悪くなり悪循環に… etc
という連鎖が起こっていきます。
これらも、起点はすべてリーダーです。
リーダーが事業を構造的に捉えられているか否か、
それに全てが集約されるといっても過言ではありません。
また、上記は【事業】軸でお伝えしてきましたが、
【組織】においても全く同じです。
人事評価制度の設計や運用においても、
まずその評価制度自体の構造を理解できなければ、
いくらクラウドツールやシステムを導入しても、
宝の持ち腐れになり、全く意味がありません。
この「視座を上げる」という概念を、
皆さんもぜひ今一度アップデートしていただき、
事業成長に必要なKSFを精度高く見出していきましょう!
また、弊社では人事評価設計シートを無料公開しています。
是非、組織の構造と、評価の構造を理解するために使用してみてください!