海外アートニュース(2024年2月16日−29日)
今年のロエベ財団クラフト賞の最終候補30名が決定した。デザイン、建築、批評、美術館キュレーターなどで構成される十数人の審査員が優勝者を選出し、賞金5万ユーロが授与される。 世界中から選ばれたアーティストによる作品は、宝飾品からガラス製造、籠編みまで様々なジャンルに及び、5月15日から6月9日までパリのパレ・ド・トーキョーで展示される。-Galerie
メイン州のポートランド美術館(PMA)は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる財政難のため13のポジションを削減する。運営予算の70%近くの削減を目的としているため、人員削減の対象には正社員やパートタイム職員も含まれる。 PMAは、2020年以来入場者数が35パーセント減少し、そのプログラムの持続可能性に対する懸念が高まっていると発表した。-ARTnews
ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、ナチス時代にドイツのユダヤ人画廊が所有していたマルク・シャガールの絵画*”Over Vitebsk”*(1915~24年)を元の所有者の相続人に密かに返還したとして、400万ドル(約6億円)の手数料を受け取った。この絵画は1949年にドイツの美術収集家からMoMAが購入したものだが、元はおそらくユダヤ人所有のマティーセン・ギャラリーがローン返済のためにドレスナー銀行に接収されたものと思われる。MoMAは声明を発表し、手数料受領を認め、マティーセンにちなんで名付けられた来歴研究基金の支援に使用されたと述べている。-artnet
英国のアート市場でマネーロンダリング防止(AML)法による圧力が高まっている。 英国の税務当局であるHMRCは、美術品取引の監督を開始した2021年1月10日から2023年3月31日までに、少なくとも31人の美術品市場参加者に罰金を科した。このうち30件は2022年1月1日からの15か月間の出来事で、月に少なくとも2件の罰金が科せられている計算になる。平均罰金は5,000ポンド(約95万円)を超え、1回の罰金の最高額は約13,000ポンド(約248万円)に達した。-The Art Newspaper
エルトン・ジョンのコレクションを扱ったオークションをクリスティーズが開催、49ロットすべて落札され、初日に約800万ドル(約12億円)を売り上げた。最初の4ロットから予想を超える高価格で落札されるなど盛り上がり、ハイライトはバンクシーの “*Flower Thrower Triptych (花投げ三連祭壇画)”*の193万ドル(約2億9,000万円)たっだ。エルトン・ジョンのコレクションオークションは2月28日まで続く。-ARTnews
過去50年間にわたり、世界的な芸術の中心地としてのニューヨークの地位を確固たるものにした出来事をご紹介。1970年からの50年間に起こったニューヨーク芸術の「瞬間」を厳選した。-artnet
多数のアーティストがヴェネツィア・ビエンナーレに対し、今年はイスラエルの国家パビリオンを中止するよう求める公開書簡に署名した。 アーティストたちは、イスラエル・パビリオンの設置を続けることで「ビエンナーレは大量虐殺的なアパルトヘイト国家をプラットフォームにしている」と述べている。-ARTnews
ナショナル・ギャラリー、国立宝くじ遺産基金、バッキンガムシャーのワデスドン・マナーなどの施設のパトロン、コレクター、指導者として英国美術界を代表する人物、ジェイコブ・ロスチャイルド氏が87歳で死去した。ロスチャイルド財団は声明で深い悲しみと、彼の娘ハンナがロスチャイルド財団の理事長の役割を引き継ぐことを発表している。-The Art Newspaper
3月5日に発売されるキース・ヘリングの新しい伝記で、ヘリングがディズニーと契約を結ぶ寸前だったことが明らかになった。生涯を通じてミッキーマウスの絵を描いてきたヘリングにとってディズニーとの契約は長年の夢だったが、皮肉なことにディズニーからのオファーはヘリングが1990年に死去してわずか数日以内に届いたのだという。-artnet
イタリアの現代美術財団CRTが世界展開を計画中だ。2000年に主にイタリア人アーティストを中心とした近現代美術作品を中心に設立された後、そのコレクションは今や世界中300人以上のアーティストの作品930点にまで上っている。今年の買収予算は昨年の2倍に当たる100万ユーロ(約1億6,500万円)に達する予定で、この予算拡大により、財団はアルコ・マドリード(3月6日~10日)での初の国際見本市への参加を表明、新たな年間獲得賞を設けた。受賞作品は毎年、GAMとリヴォリ城で交互に展示される予定だ。-artnet
中国におけるY2K時代のアートブームはどのようにして世界のアート市場の再マッピングを始めたのかー。2000年代の中国のアート市場と現代アートシーンの爆発的な発展は、一生に一度起こるかどうかの黄金時代だった。当時にキーマンでもあるクラウディア・アルベルティーニらのインタビューを交えて振り返る。-artnet
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