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\そのヘルメット、本当に安全ですか?/【ゲストコラム】自転車用ヘルメット緊急事態宣言!? (その1)

オートバイ用/自転車用ヘルメットのメーカーとして、いまKabutoが応援する、各シーンで頑張っている「人」を通じ、その方が関わる世界をより深く知っていただきたく、ご本人によるレポートやコラムなどを掲載しています。
今回は、自転車ジャーナリストの浅野真則さんに執筆いただきます。これから数回に分け、自転車用ヘルメットを取り巻く危惧すべき現状をレポートし、安心・安全なヘルメットの選び方について解説していただきます。


🚲自転車ジャーナリストの浅野です

自転車ジャーナリストの浅野真則です。自転車専門誌やWEBなどを通じ、自転車の魅力を伝えることをライフワークにしています。

さまざまなジャンルを楽しむ自転車ジャーナリストの浅野真則さん

以前、Kabutoオフィシャルサイトのコンテンツで「ライター浅野のインプレブログ」という連載を5年以上担当し、ヘルメットやアイウェアなどのKabuto製品を詳しくチェックしたり、サイクルイベントのKabutoブースで注目の新製品の紹介、時には自転車用ヘルメットの歴史をたどるなど、さまざまな記事をアップしていました。だから、ヘルメットに対しては大変思い入れがあります。

かつてオージーケーカブトのWEBサイトで連載ブログを担当

🪖自転車用「風」ヘルメットが増えている!

そんな僕が、最近とても気になっていることがあります。
自転車用ヘルメットとして売られているヘルメットの中に、自転車乗車中に使うのに十分な安全性能を満たしていないものが増えていることです。

自転車乗車時のヘルメット着用が4月から努力義務化され、2023年に入ったころから大人用ヘルメットの品薄傾向が続いています。最近では自転車店だけでなくホームセンターなどでもヘルメットを扱う店が増えましたし、在庫が復活しているように見えます。
でも、ちょっと待ってください。そのヘルメット、自転車用ヘルメットとして必要な安全基準を満たしているでしょうか? 
実は、自転車用をうたいながら、自転車用としての安全基準を満たしていないヘルメットが増えているのです。
ここでは便宜上そのようなヘルメットを自転車用「風」ヘルメットと呼ぶことにしましょう。

ヘルメットには様々な種類があります。自転車用ヘルメットのほかにも、スケートボードやスケート用、カヌー用、スカイスポーツ用などがありますし、工場や作業現場などで目にする作業用ヘルメットもあります。それぞれ異なった安全基準があり、自転車用のヘルメットをうたうには、JCFやSG、CEといった専門機関の定める自転車用ヘルメットの安全規格をクリアする必要があるのです。詳しくは次回以降に説明します。

しかしながら、「自転車用」としてインターネット通販や店頭で売られているヘルメットの中には、自転車用ヘルメットの安全規格をクリアしていないものも少なからずあります。たとえ規格の認証シールが貼られていたとしても、自転車以外の別の用途のヘルメットの認証を受けている(自転車用としての認証を受けていない)ものもあります。インターネット通販だけでなく、店頭で販売されているヘルメットにも自転車用「風」が増えているのが実情です。

(イメージ)

実際に自転車を扱う家電量販店やホームセンターのヘルメット売り場を見てきましたが、自転車用ヘルメットともに、自転車用ヘルメットとしての安全規格を満たしていない自転車用「風」のヘルメットもかなりたくさん売られています。お店の方に話をうかがうといずれも「規格に通った自転車用ヘルメット」と認識されていました。店員さんが必ずしも正確な知識を持っているわけではありません。

お客さんの多くは、ここで売られているヘルメットはすべて自転車用ヘルメットとして安全規格をクリアしたものだと信じて疑わないでしょう。しかし、手に取ったヘルメットが自転車用「風」ヘルメットかもしれないのです。

これは危惧すべき状況です。

⛑自転車用として認証されたヘルメットを手に入れるには?

自転車用ヘルメットは、自転車に乗っているときの事故を想定した安全規格をクリアしています。もし自転車乗車時に自転車用「風」ヘルメットや自転車用以外のヘルメットを使うと、充分な安全性能が発揮できない可能性があります。
また、事故の際に過失割合が増えたり、自転車乗車中の事故をカバーする保険でも保険適用外になったりするケースもあり得ます。自転車に乗る際には、自転車用ヘルメットをかぶることが大切なのです。

では、自転車用として認証されたヘルメットを手に入れるには、どうしたらいいのでしょうか? それは認証マークに注目することです。国内で流通しているものなら、製品安全協会の認めた「SGマーク」や日本自転車競技連盟の「JCFマーク」など、自転車用ヘルメットとして安全試験に通ったことを示す認証シールが貼られているものを選ぶことが重要です。

左:SG(製品安全協会)マーク、中・右:JCF(日本自転車競技連盟)マーク(公認/推奨)

欧州の規格であるCEマークの安全規格をクリアしているヘルメットも多いのですが、CEマークでは自転車用ヘルメットだけでなく、バンプキャップと呼ばれる保護帽や、カヌー用などのほかの目的のヘルメットの安全規格の認証も行っているので注意が必要です。(自転車用ヘルメットにはCEマークの横に「EN1078」と明記されています)

これらの詳しい見方もあらためて次回以降に解説します。

まずは警鐘を鳴らす意味で、自転車用ヘルメットを取り巻く現在の危惧すべき現状についてレポートしました。次回以降で今回紹介したような内容をもう少し深掘りしていきたいと思います。

(執筆:浅野真則)

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