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「冒険家」になるには?

冒険家とは?

たまに聞かれることがあるこの質問。

「冒険家」ってどうすればなれるんですか?

答えは至極簡単。


正解は。


名乗れば良いだけ。

そもそも世の中の「○○家」という、最後に「家」が付く肩書きは全てが「自称」でしかない。「○○士」「○○師」というものは、試験に合格したのちに得られる資格によるもの。弁護士、会計士、税理士、医師、教師、建築士、整備士、などなど。

一方で、冒険家、探検家、作家、写真家、建築家(建築士ではない)、音楽家、画家、などなど、これら全ては名乗るために何の試験も資格も必要としない。「俺は画家だ!」という人に対して「いや、君は画家ではないね」と言える筋合いは他人にはないのだ。

なので、どうやったら「冒険家」になれますか?という質問には「名乗れば良い」ということになる。なぜなら、全ては「自称」なので。

「○○家」と名乗ったところで、周囲から「そうだね」と認められるかどうか?はたまたそれで社会を渡っていけるかどうか?それは全く別の話だ。

マジでたまにいるのだが「冒険家になりたいです」と私のところに話を聞きにやってきて「本気なの?」と聞くと「かなり本気です!」と答えるのだが「そのためにどんなことしてるの?」と聞くと「いや、特に何も」という返事。「どこか行きたい場所の情報収集とか、そういうことは?」と尋ねると「南極点に最年少で行った人が何歳かギネス記録は調べました」なんていう返答だったりする。もう、ガクッとくる。

「野球選手に本気でなりたいんです!」と相談に来て「どんな練習してるの?」と聞いたら「いや、バット持ったことないんです」と言われた気分である。

ここに来る前に、素振りでもして来い!と思ってしまう。

余談だが。

北極冒険家は仕事か否か

これもよく聞かれる。「冒険家」って職業なんですか?というもの。

ちなみに、私は確定申告の職業欄には「冒険家」と書いている。

私は冒険家を目指したことはこれまで一度もないし、いまだにそうだ。対外的に「北極で冒険しているから、北極冒険家でいいや」ということで名乗っているだけである。そもそも、肩書きなんていうものは他人がいるから初めて必要なものであり、もし自分が無人島で死ぬまで一人で生きていたら肩書きをつける必要がない。名乗る相手がいないのだから。要は、肩書きなんて別にどうでも良いと私は思っている、ということを言いたいだけ。

「北極冒険家」は、今の社会的な基準に当てはめれば私にとっての仕事だろう。でも、あくまでも成り行きでこうなっただけである。数ある選択肢の中から選んで冒険家になったわけでもない。ただ、結果を見れば自分で選択したことになる。

そもそも仕事は、どこかの組織に身を預けてその対価として給与を支払ってもらうことではない、ということは別に私が言わなくても誰でも分かっていることだ。自らの生き方、自らの身の処し方、自分自身を取り巻く社会環境と自分自身の持続可能性を高めていく行為、それが仕事だ。社会で生きていくにはどうしても「金」がなければ食っていけない。冒険家で飯が食えるとは私も到底思えないが、今のところ、私は結果的には冒険家で飯を食っている。

だが、あまり他人にはオススメしない。やるのは自由だが。

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