「ベラチャフラフスカ 最も美しく」 後藤正治
今日の思い出の1冊
「ベラチャフラフスカ 最も美しく」筆者は後藤正治氏である。
僕の初めて見た五輪の記憶は、サラエボなので、チャフラフスカは映像と書籍でしか知らない。
もともと五輪も大好きで、後藤正治氏も好きな筆者だったので、この本は発売日に購入してすぐ読んだ。
政治とスポーツは切り離して考えるべきだが、切り離せて考えるにはスポーツの存在意義が大きすぎる、それが五輪やW杯の価値でもあるのだと思う。それゆえスポーツと政治は切り離すことは出来ないのだと思う。
この本は、チャフラフスカが主人公だが、助演がクチンスカヤだ。1964年の東京五輪から、68年のメキシコ五輪まで、女子体操の主役たちを中心に、プラハの春に翻弄された二人の名手の話だ。
チェコスロバキヤの名選手たちのプラハの春への対応により、平和な日本では想像が出来ない過酷な人生になっている。
僕が大好きなスポーツノンフィクション作家の佐瀬稔氏の著作で
「ソ連は五輪の年に戦車を動かしたくなる癖がある」という言葉があった。もう20年以上前に書かれた本だが、とても記憶に残っていた。その後も、その言葉を裏付けることが続いているのは周知のとおりである。
クチンスカヤもソ連側として翻弄された一人である。
この本の時代によると、クチンスカヤはウクライナ人と結婚してアメリカに住んでいることになる。今何を思っているのだろうか。
今の時代に、多くの人に読んでもらいたい1冊である。
プラハの春を扱った本には名書が多いと思っている。
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