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世界メンタルヘルスデー2020~メンタルヘルスに投資を~
10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。
世界精神衛生連盟(WFMH:World Federation For Mental Health)が、1992年より、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として定められた日で、その後、世界保健機関(WHO: World Health Organization)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)とされています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に拡大した2020年の「世界メンタルヘルスデー」は、これまでにない特別な意味を感じます。
世界中の誰もがこのコロナ禍で、不安やストレスを今も感じながら過ごしていると思います。今年ほど世界中で「メンタルヘルス」がより身近で重要なテーマと感じた年はなかったのではないでしょうか。
ここ最近日本では、芸能人など著名人の自殺が続いてしまっています。今やるべきことは、原因を安易に推測したり、過度に報道することではなく、メンタルヘルスやストレスの対処法や支援を受ける方法についての正しい情報や使える資源を、必要な人に届けることです。
<センセーショナルな自殺報道によるリスク>
▼自殺リスクの高い人はメディアの自殺報道の後に模倣自殺を起こしてしまう危険性があること。
▼有名人の自殺や、自らと重ね合わせやすい人(自身と同じ境遇の人など)の自殺は、その危険性が極めて高くなること。(参考「WHO自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識2017年版 はじめに」)
▼新型コロナウイルス感染症の影響で、健康面だけでなく生活面や仕事面でも不安を抱えている人が多い現状においては、さらに自殺報道の影響が大きくなることが懸念されること。
(出典:厚生労働省:著名人の自殺に関する報道にあたってのお願い(令和2年9月27日)
ここ半年間のコロナ禍で、生活も仕事の環境も大きく変化しました。変化に適応していくことや、今後の見通しが見えない状況が続くと、誰しも不安やストレスが気づかないうちに溜まってきます。
少しでも不安を感じたら、家族、友人、同僚、上司など周りの人に話をしてみましょう。不調が続くようであれば医療機関や自治体の窓口など専門家に相談してほしいと思います。会社に所属している人であれば、EAP(従業員支援プログラム)の相談窓口や、産業医の先生、健康管理室に相談しましょう。
周りに悩んでいる様子の人がいる場合は、気にかけて、話を聴いてあげましょう。そして、利用できる相談窓口や専門家を紹介してあげましょう。
(※本ページの最後にメンタルヘルスの相談窓口・情報をご紹介しています。)
世界メンタルヘルスデー2020のテーマは「メンタルヘルスへの投資」
【WFMH】”World Mental Health Day 2020”特設ページ
WFMHによる今年2020年世界メンタルヘルスデーのテーマは、
”Mental Health for All Greater Investment – Greater Access”
メンタルヘルスをみんなのために
もっと大きな投資で もっと多くのアクセスを
WFMHプレジデントのDr.Ingrid Danielsからは、「メンタルヘルスは人権であり、今こそすべての人に提供されるべきです。」というメッセージが発信されています。
【WHO】”World Mental Health Day 2020”特設ページ
そして、WHOの2020年世界メンタルヘルスデーのスローガンは、
”Move for mental health: let’s invest”
「メンタルヘルスに投資しよう」
WFMHからもWHOからも、世界各国に向けて、メンタルヘルスへの”投資”の必要性が叫ばれています。WHOによると、最も多いメンタル不調であるうつや不安障害による生産性の低下がもたらす世界経済への影響は、毎年1兆USドルにも及んでいます。
メンタルヘルスは一部の人に関わる”コスト”ではなく、あらゆる個人にも、企業にも、国家にとっても、持続可能な社会のために必要な”投資”であるといえます。
WHOでは、世界のリーダーやメンタルヘルス専門家、著名人のゲストによるメンタルヘルス啓発イベントが今回初めてグローバルでオンライン開催されます。Facebook, Twitter, LinkedIn, YouTube ,TikTok等の各ソーシャルメディアチャネルにて、日本時間で10月10日(土)23時から約3時間に渡って配信される予定です。
【厚生労働省】:世界メンタルヘルスデー2020特設サイト
日本でも、厚生労働省が「世界メンタルヘルスデー2020」の特設サイトを開設して、”つながる、どこでも、だれにでも”というテーマで、スポーツ選手や著名人による対談やメッセージをYouTubeで配信するメンタルヘルスに関する啓発キャンペーンが行われます。
・厚生労働省「世界メンタルヘルスデー2020」サイト
2020年10月10日(土)18時から24時にかけては、東京タワーでは、「世界メンタルヘルスデー シルバーライトアップ」が開催されます。
皆がメンタルヘルスや精神障害について関心を持ち、考えるきっかけになるよう、東京タワーをシルバーにライトアップ。精神障害およびメンタルヘルスへの理解を深め、促進することを目的とした運動のシンボルであるシルバーリボン運動にあやかり、東京タワーをシルバーに点灯することで、精神障害のへの理解を深めるとともに、精神障害を患う方たちが前向きな気持ちになれるように、という思いを込められています。
「世界メンタルヘルスデー」をきっかけに、だれもがメンタルヘルスについての理解が深まり、少しでも予防の取り組みが広まっていくことを願っています。
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メンタルヘルスの相談窓口
公的機関などで利用できるメンタルヘルスに関する相談先です。
※相談受付時間等は現時点での情報です。詳細については、以下各リンクや各団体の最新情報をご確認ください。
【電話相談窓口」
・こころの健康相談統一ダイヤル:
0570-064-556 相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。(一覧はこちら)
・よりそいホットライン:
フリーダイヤル0120-279-338(24時間、IP電話などからは050・3655・0279)
・いのちの電話:
フリーダイヤル 0120・783・556
(毎日午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時)
ナビダイヤル 0570・783・556(午前10時~午後10時)
・東京いのちの電話:
03-3264-4343
(日・月・火午前8時~午後10時、水・木・金・土午前8時~翌午前8時)
・チャイルドライン:
0120-99-7777 無料(月~土16:00-21:00)
18 歳未満がかけられる相談窓口(運営:特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター)
・子供(こども)のSOS相談窓口(そうだんまどぐち)(文部科学省):
0120-0-78310 なやみ言(い)おう(フリーダイヤル・無料)
(フリーダイヤルのため、IP電話からは接続できません。)
【SNS相談窓口】
・生きづらびっと:
LINEアカウント@yorisoi-chatで友達登録
(日、月、火、木、金曜午後5時~午後10時半、水曜午前11時~午後4時半)
・こころのほっとチャット:
LINE、ツイッター、フェイスブック@kokorohotchat
(毎日正午~午後4時・受付午後3時まで、午後5時~午後9時・受付午後8時まで)
・SNS相談等を行っている団体一覧 厚生労働省リンク(2020年4月から)
【一覧】
・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
新型コロナウィルスに関するこころとからだのケア情報
ピースマインドでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不安や心配、それに伴うストレスの緩和など、こころと体のケアに参考となる情報を無料で公開しています。是非ご活用ください。