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9月のお気に入り
noteを始めたは良いものの、時期によってめちゃくちゃ投稿したりしなかったり…。
ばらつきがあるので、毎月これだけは必ず投稿しよう!と決めて「お気に入り」の連載を始めました📖
その月に観たもの、読んだもの、聴いたもの、食べたもの、などの中から私のお気に入りを紹介していく企画です。
早速、今月のお気に入りを綴っていきます。
◉エリック・ロメール
コロナの影響で一時は映画館に行けなくて寂しかったけど、自粛期間明けてから各地ミニシアターの特集がすごく良い!!!
席数半分なのが本当にもったいないと思うくらい、今色々アツいです。
そんな中、先日は池袋にある新文芸坐の特集〈世界の映画作家Vol. 215 エリック・ロメール 喜劇と格言劇+2〉に入り浸っていました。
9月は時間的に余裕があったから、8本全部観ちゃった。
どれも恋人や友人同士の、はたからみたら本当にどうしようもないいざこざ話なんだけど、本人たちは至って真剣で、それがクスッときたりグサッと来たり。
音や色の使い方ひとつでこんなにも世界の見え方が変わるのかと、発見もたくさんあって豊かな日々でした。
今年の夏はリアルでは見れなかった海も、スクリーンでたくさん見れた!
何度も歩いた、新文芸坐から駅に向かう帰り道の風景。
池袋って普段はあんまり行かないから、街ごと非日常で良かったです。
◉ロロ・いつ高「心置きなく屋上で」
学生の頃から大好きな劇団、ロロが高校演劇のスタイルで作品を作るシリーズ、「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校」、通称「いつ高」。
久々に新作が劇場で観れるとのことで、意気揚々と初日に観に行きました。
私にとっては自粛期間明け初の生で見る演劇で、なんだか緊張感もあったけど、いつものように主催の三浦さんがステージに現れただけですごくホッとして心が和らいだ。
今回の物語の舞台は屋上。
もちろん実際は劇場の中の舞台の上なんだけど、物語が進むに連れてみるみる屋上の開放感が広がって行って、空も見えたし風も吹いた。
2020年の閉塞感の天井をブワッと吹っ飛ばしてくれるような、軽やかでマジカルな演劇でした。
やっぱり、目の前で生身の人が何かをしているだけで、心がすごく動く。
久々に見た演劇がロロで本当によかったなあ。
◉田島列島「水は海に向かって流れる」
学生時代に友達に借りた「子供はわかってあげない」を読んで以来好きになった田島列島先生の世界。
その最新作「水は海に向かって流れる」が完結しました。
複雑な家庭の因縁を抱えた高1男子と26歳OLが、一つ屋根の下で奇妙な共同生活を始めるという物語です。
一見重々しいテーマなんだけど、そこに田島先生ならではのユーモアたっぷりな演出があるから、世界が肯定に向かっていくのが良い。
それも手放しの無責任な肯定ではなくて、ちゃんと現実と地続きで、信じられるし信じたいと思える。
これはもう絶対にどこか大手の配給会社で映画化企画が進んでいるはずだけど、一体誰が監督するのか、そればっかり気になっています。
◉加納土「沈没家族 子育て、無限大。」
以前ぴあフィルムフェスティバルに選出されたのち劇場公開された、加納土監督のドキュメンタリー「沈没家族」が、監督本人の執筆によって書籍化されました。
その名も「沈没家族 子育て、無限大。」。
90年代の東京で「沈没家族」と名付けて行われていた共同保育の試みを、そこで育った「土くん」の目線から紐解いていく本です。
私は昨年監督作「海辺の金魚」の準備中に保育や子どもに関する書籍・映像資料を漁っていて、その過程でこのドキュメンタリーに出会い感銘を受けました。
書籍版では映像で語られていなかった部分までより深く細かく掘り下げられていて、自分自身の育ちや社会における子どもの在り方を見つめ直せる、大大大満足の一冊でした。
子育て中の方や保育に関わる方はもちろんだけど、むしろそういったものと縁のない人にも読んでほしい。
目先のことばかりではなく、もっと先の未来(=子どもたち)のために尽くせる社会になってほしいと私は心底思っているので、子育てに対する国の手当てや保育者の労働環境改善もそうだけど、この作品を通して子どもと大人の良い関わりがもっと広がっていけば良いなと思います。
ちなみに書籍化を記念してドキュメンタリーが再びスクリーンでかかるそうなので、未見の方はぜひ。
9/26〜10/9、ポレポレ東中野にて。
◉かまいたちチャンネル
正直9月は毎日こればっかり見てました。
かまいたちさんの公式YouTubeチャンネル、ねおミルクボーイ。
私はあまりお笑いに触れてこなかったし、今はテレビもほとんど見ないので、かまいたちさんのこともM-1以外よく知らなかったのですが、ある日Twitterで流れてきた濱家さんのバスタイムルーティーン動画を何気なく見て、なぜかめちゃくちゃハマってしまったのです。
その後の謝罪動画も含めて大好き。
以来、朝起きたらまずかまいたちチャンネルを流し、夜寝る前もかまいたちチャンネルを見てから眠りにつく生活。
そこから派生してかまいたちさんのラジオや出演しているテレビも見聞きするようになり、YouTubeきっかけでの広がりが私の中で新鮮です。
中でも最近のお気に入りは、濱家さんの作業用動画。
私はいつも食卓に座って、壁のスクリーンにYouTubeを映して見ているのですが、この動画の濱家さんの机の色と私の食卓の色が両方白だから、これ見ながらご飯食べてると同じ机で濱家さんの話を聴きながら食べてる感じがしてくるんです。
すごい発見でした。
しかも全然内容のないことをいつまでも話してくださるから、食事中にちょうど良いんですよね。
そんなに一生懸命聞く必要もないし、でも時々相槌打ったり笑ったり。
思わず壁に向かって喋っちゃう時もある。
クイックジャパンの特集も読みました。
おすすめです。
◉城真也監督「アボカドの固さ」
現在渋谷ユーロスペースで公開中の映画、「アボカドの固さ」。
城真也監督は私の大学の先輩なのですが、自粛期間を超えてようやくスクリーンで観れる日がきて嬉しかったです。
主演の前原瑞樹さんの実話をもとにした、どうしようもない、本当にどうしようもない失恋の話です。
ワンカット長回しのエチュードのような会話や、本人は至って真剣でもどこか笑えてしまう恋模様など、9月頭に観たエリック・ロメールの世界にも通ずるところがあって面白かった。
おまけにヒロインの多賀麻美さんはロロのいつ高で観たばかりだし、私の9月の伏線が一気に回収されていった感覚。
次は男女何人かで観に行って、その後ワーワー言いながらアボカドパーティーしたいなあ。
あと倦怠期のカップルにあえてこの映画を観せたりもしたい。
もし上映が一周して名画座とかに帰ってきたら、「(500)日のサマー」との2本立てで観たい。
パンフレットもスタッフ・キャスト陣の想いが詰まった読み応えのある一冊だったので、合わせてぜひ。
アボカド好き&三叉路好きの方必見。
◉おまけ
最近フィルムで撮ったお気に入り写真載せときます。
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