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「開封しない人」ばかりを追いかけない

メールマーケティング2大指標「開封率」「クリック率」

お客様と私は、いつもこの数字とにらめっこです。

「この開封しなかった人たちに開封してもらうには、どうしたらいいでしょうか」

この問いに対して、最近やっと、しっくりくる回答が見出だせました。

「たくさんの人に開封してもらいたいのは山々ですが、『開封した人』の満足度を上げることを一番に考えたいです」

お客様は、メールを使ってたくさんの人に情報を届けたいと思っています。メールマーケティングの成果(開封やクリック、CV)をミッションとして担っている場合がほとんどです。ですので、開封者を増やす方法を模索するのは当然のこと。
それでも、私は上記のメッセージを伝え続けなければと思うようになりました。なぜなら、CRM(※)のお手伝いが私の使命だからです。

多くの人にチヤホヤされることばかり考えて、関心を持ってくれた顧客を大切にしない企業は、魅力的ではありませんよね。どの企業も言う「顧客を大切にする」とは、「関心を持ってくれた顧客を大切にする」と同義だと思っています。だから、一番に考えるべきはその人たちだなと思います。(当然の話のようですが、プロモーションの観点でこれを一番に考える文化の企業に出会ったことが…あり…ま…せ…略)(だから私たちがいるんです!)

自社の情報発信や商品に、多少なりとも関心をもってくれたことの証が、開封です。そこがやっとスタートラインで、関係が始まります。維持・発展させていくべき人たちなのです。
開封はゴールでも獲得ミッションでもないんですよね。私もときどき見失いそうになります。あかんあかん…

どんなスターも、最初はたった一人の関心から

「今日は来てくれてありがとう!」
「いつも応援してくれてありがとう!」
最初に関心をもってくれた人を大切にしたからこそ、ファンになってもらえて、スターになれます。大切にしてもらったファンはさらに好きになり、周りに勧め、関心の輪が広がっていきます。

開封した人に喜ばれるためには

開封した人のためにブラッシュアップをするというのは、こういうことではないでしょうか。

・どんな人なんだろう?
(何が好きで、何に興味があって、何に困っていて、何を知りたいのか)
・なぜ関心を持ってくれているんだろう?
・もっとニーズのある情報が自社にないか?
・件名はわかりやすいだろうか?読むかどうかを判断しやすいだろうか?
・一番喜んでもらえるコンテンツを一番上に配置できているだろうか?
・必要な時間に配信できているだろうか?

企業側も顧客に関心を持つことかなと思います。顧客に関心を持つことが、「顧客第一」の基本のキ!

開封率の上げ方

「それはわかるけど、『開封した人』のことを考えてたって、開封率は上がらないでしょう?結局『開封しない人』に開封してもらうことを考えないと」

それが違うんです…!私はわかったんです。「開封した人」のことを考えれば、開封率は上がります。私が担当する案件では、そうして少しずつ開封率が上がっていっています。

『開封しない人』のことばかり考えると、やることがだんだん過激になっていきます。関心を引こうとわかりにくい件名をつけたり、釣りのような件名にしたり…インパクトを求めるようになります。今の自分では愛してもらえないと言わんばかりに…。

『開封した人』のことを考えると、優しいブラッシュアップにつながります。デザインはわかりやすいかな?このコンテンツは喜ばれるかな?クリックボタンはわかりやすいかな?ボリュームは多すぎないかな?etc

開封率に大きく影響するのは、「件名」「差出人名」「配信タイミング」と言われています。しかし、もう一つあります。「過去のメール」です。

私が敬愛するミスチルの桜井さんは、昔こう語っていました。
「アルバムの売上とは、前回のアルバムの評価だと思っています。前回良かったから、今回買ってくれるんです」

開封率も同じだなと気づきました。開封率とは「過去のメールの評価」なのです。つまり、前回のメールで満足させられたかが重要なのですね。
前回良かったから、今回も読んでくれます。そして、喜ばれるコンテンツを届けられると、シェアしてもらえます。関心を持つ顧客が増えていきます。メールで優しいブラッシュアップができるようになると、Webサイトや商品の改善にも生かせるようになります。そうすると、さらに関心を持ってくれる顧客が増え、メールの登録者数も増えていくでしょう。たった一人の顧客から、ファンの輪が広がっていくんですね。

これが、理想的な開封率の高め方だと思います。

開封しない90%は何をしているのか?

メールの開封率は、10%~20%ぐらいです。80~90%の人はメールを開封すらしていないということ。しかも、どんなにがんばっても、開封率を何十%も引き上げるのは難しいです。
開封しない90%は何をしているのでしょうか?アドレス登録してるのに。
やっぱり気になります。

Aパターン(無関心・嫌われている)
・登録した記憶がない、なんの会社?
・うっとうしいので自動的にゴミ箱行きしている
・配信停止したいけどめんどくさい、方法がわからない
Bパターン(メールとの相性が悪い)
・普段メールボックスを見ない
・忙しくて見る時間がない
Cパターン(テーマによって読む)
・件名に書かれている内容に関心がない
・時間があるときに、気になるものだけまとめて読む

書いていて切なくなりますが(笑)、きっとこんなところでしょう!自分に当てはめれば想像がつきますね。

メール施策は、あくまでマーケティングの一つです。メールは開封しないけど、広告で目にした、商品を店頭で見かけた、オンラインショップで買ったかもしれません。だから、この人達のことを考えるのは、二の次でいいんだと思っています。
できることは…
Aパターンの人に嫌われないよう、配信停止しやすくすること。配信停止はそのためにあります。
Bパターンの人のために、他のチャネルの接点も大切にすること。
Cパターンの人は、『開封した人』と同じく大切にすること。でも、Cパターンの人のために何かを変える必要はないです。

個人も企業も、関心を持ってくれる人を大切に

反応してくれない人を気にしてしまうのは、個人でもあるんですよね…。この文章、実は私を言い聞かせるために書きました(笑)

noteを書きはじめたといっても、私をフォローしてくれる人は超少ないです。どうしたらフォローしてもらえるのかな…って考えそうになったのですが、違いますよね。今関心を持ってくれている人たちを一番大切にしないと。

始めたばかりなのに、フォローしてくださった方、ありがとうございます。このコンテンツ、喜ばれるかなと思って書きました。少しずつ、優しいブラッシュアップをして、良いコンテンツで実績を作っていきます。

……。

でも!

フォローしてもらえるようになりたい!(台無し)

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※CRM=Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)顧客と良いつながりを保つ活動のことです。

☆この記事は個人の見解、私見です