2023年振返り おがわーる
Awarefy(アウェアファイ)のおがわーるです。
あまりに色々なことがあった2023年。会社ではなく個人の人格で少し振り返っておこうと思います。
資金調達
2023年7月にプレシリーズAで資金調達しました。
2022年12月くらいから資金調達はじめて、2023年はその途中からのスタート。過去の大変なこととかすぐ忘れちゃって「なんか、大変だった気がする」くらいしか覚えてない僕ですが、それでも結構しんどかった。
とにかく、ゴールが見えなかった。これ本当に形になるのかな、と。幸い資金に余裕はあったけど、とはいえ全然先行きが分からない。途中土日起きれなくなるくらいにはなった("これやばいやつだ"と知ってたので対策もできた)。
しかし、終わってみると「気合い」の要素は大きかった。多分200社くらいご連絡させていただいた。レスなかったり、MTG盛り上がったと思ったけどその後メールしても一切連絡なくなったり、色々あったけど、蓋を開けてみると「神」みたいな方々が要所でサポートしてくださりなんとかなった。「気合い」と「ご縁」ですかね。神さまたちには足を向けて寝れません。
「気合い」のやり方はなんだかんだ営業で培ったなぁと思う。新卒でリクナビ営業の赤新規(未取引顧客)やってたり、ビズリーチ・キャンパスの立ち上げで大手企業さん営業、独立後も大手さんや老舗旅館のコンサル営業やってた中で培ったものがすごく役に立った。資金調達も結局広義の営業活動だと思うので。
また、資金調達の途中でChat-GPTが出てきて、CTOが秒速で追随する提案してくれて進めたことも、結果的に追い風だった。これに関しては「運」もあった。生成AIについては次のトピックで別途書きやす。
しかし「気合い」「ご縁」「運」という、おおよそロジックのなさそうなキーワードが並んでしまったが、もちろんエクイティストーリーは大事な訳で、しっかりとストーリーに沿った事業進捗を生み出して次回以降のラウンドに向かっていくのは大前提ではあります!
最後に、今回ご一緒できなかったけど出会えた色んな方(投資家の皆さん)には本当に感謝しています。色んな方とお会いしていく中で様々な視点から事業を見ていくことができましたし、自分が一体なにをやっているのか、何に挑戦しているのかの解像度があがりました。
たまに「偉そうな投資家」みたいな話も聞くけど、僕は年齢のせいなのか雰囲気のせいなのかよく分からんが一度もそんな方には出会わずでして、みなさん真剣に聞いてくれたし真剣にフィードバックくださいました。
どっちかというと僕の力不足でご迷惑をおかけしてしまった投資家の方もいらっしゃって申し訳ない気持ちもありますが、とにかく事業を形にして前に進むしかないと思うので、社会への価値提供がんばっていきます。
生成AI
さっきも書いたが生成AIで本当に僕らの事業の未来予想図は書き換わった。いまAwarefy(アウェアファイ)は「AIメンタルヘルスアプリ」と名乗ってるが、生成AIを実装して、ユーザーさんからのフィードバックやインタビューを踏まえてそうなった。
一部ユーザーさんからのフィードバックを転記します(ストアで公開されているもの)
本当はまだまだ紹介したい熱量のレビューがたくさんある。元々Awarefyユーザーさんのレビューはありがたいくらい熱量高かったが、AI関連がはじまってから更に一段ギアが上がる熱量みを感じてる。
元々僕らの想定では「AIはカウンセリングよりは劣るが手頃にできるのが価値になるのでは」と思っていた。もちろん「手頃に(24時間365日)できる価値」はあったが、それに加えて「人間に言うより気兼ねなく吐き出せる」といった「人ではない、AIならではの価値」もあることが分かってきた。これは実装してユーザーの声を聞かないと見えてこなかった。
また、直近では「AIヒント」をリリースした。
生成AIは「生起確率が高いもの=ベストプラクティス」を提示する仕組みなので、視野が狭くなっている状態の人に様々な"良さげな視点"を提供するのは向いている。
このことは個人的にとても興味深いポイントで、人間は常になんかしらのバイアスにとらわれている生き物だけど、生成AIはうまく使うとそのバイアスからの抜け出しを容易にさせてくれる。マインドフルネスが反芻思考からの抜け出しをサポートしてくれるように、AIはバイアスからの抜け出しをサポートしてくれる。
このように、メンタルヘルス領域における生成AI自体のポテンシャルもまだまだ探っていく余地がたくさんあると思っているし、逆に生成AIのリスクについても議論されてしかるべきです。AI ✕ メンタルヘルスの最先端でより良い社会実装のあり方について試行錯誤して発信していきたい。
世界メンタルヘルスデー
僕らのロジックモデルの「活動」の中に、「メンタルヘルスについての発信」が入ってる。
もちろんそれは事業成長のためでもあるのですが、社会にとって必要なことをキチンと発信する、ということを意識してやっていきたい、というお気持ちの表明でもあります。
それで、2022年から10月10日の世界メンタルヘルスデーになんかしら発信する、ということをやっている。
2022年はオンラインイベントを実施した。
2023年は少し絞って「起業家のメンタルヘルス」というテーマを扱った。
特にハードな環境を生きている起業家の皆さんがメンタルヘルスとどのように向き合っているのか、は自分自身が当事者ということもあってインタビューしてても大変興味深かったし、多くの人に読んでいただけた&共感いただけたかなと思っている。自分の中でアップデートされたものもあった。インタビューお受けくださった皆様に感謝です。また来年も更にパワーアップした企画していきたい。
法人事業、はじまる
元々僕自身がずっとToB事業をやってきた人間だし、採用領域とはいえ広義のHR領域で生きてきたので、やっと突っ込めるという感じ。ちなみにできるようになった理由は体制変更と採用。これも感謝案件。
まだLPすらないのだけど(年明けにリリース予定)、個人的には足掛け2年くらいディスカッションしながら参入の機会を伺ってた。詳細は割愛するが今の社会構造の問題点としては芯を食っているソリューションを用意できた。ちなみにアプリからちょっとだけ遠い。そして、そこから全体の戦略につながる道筋は、多分これしかないんじゃないかなぁと思っているので(まぁいつもそんなこと言ってるけど)頑張って進捗作っていきたい所存。
CBT学会登壇、JST RISTEXのプロジェクト等
今年はアカデミアの高名な先生方と絡む機会をたくさんいただけた。認知・行動療法学会での登壇機会もいただけたし、RISTEXでは国の委託事業としてのプロジェクトの一翼を担わせていただいている。
案外、民間企業でここに顔を出しているプレイヤーが少ないのも意外だった。先日別のイベントでも、産業領域のデジタルメンタルヘルスで有名な先生に「Awarefyさんは有名ですから」と言っていただいて、自分たちの知らないところで一定の知名度を獲得できていることを知った。ありがたや。
かなり色んなことを学ばせてもらっており感謝の限り。
また、これらの活動(や、ここに書けないようなやりとり)を通して、アカデミアとの関係性や自分たちの立ち位置をどのようにすべきかが分かってきた。
言葉を選ばずに言うと「治療とエビデンス」が出発点のアカデミアにはマーケティング視点が足りなくなりがち。なぜなら「治療」はそれを適用すべきターゲットが明確だし、患者もそれを望んでいることが前提だからだ。でもヘルスケア領域、特に保険適用されない領域ではターゲットは自明ではない。「予防」がマクロで見て大事なことが分かっていても予防そのものにお金を払う人は少ない。ユーザーごとのインサイトを捉えないといけない。社会実装においてはこのことがクリティカルになってくるし、その部分を我々は磨いてアカデミアの持つ高度なソリューションの社会実装のサポートをしたい。
英語コーチ
今英語コーチついてもらってる。たしかTOEICで2年前に720点くらいだったが、以前JETROが用意してくれた、ドイツのDTx(DiGA)についてドイツのコンサル会社さんに解説してもらうアクセラレーションプログラムに参加して、ListeningとSpeakingができなさすぎて絶望したことからスタートした。
知り合いにお願いしてやってもらっており、資金調達のしんどい時に中断したりしたけど、彼女のおかげで続いている。コーチングやってなかったら絶対勉強続いてないのでこれも感謝案件。早く英語脳を獲得したいので、来年はもう少し勉強量増やしたい。
顔面神経麻痺
年の瀬にいきなりかかった。「なんか首の後ろ痛いなぁ」と思ってるうちにあれよあれよと顔の左半分が動かなくなった。びっくり。
元々僕は2008年、2011年と2回ほど首の腫瘍の手術をしている(神経鞘腫)。後遺症で右半身は運動神経が7割くらいしか機能せず、左下半身の温痛覚もない。
特に2回目の再発時は、最後握力8くらいまでになって、背中全体痺れて眠れないし10円ハゲいっぱいできるし、もう一歩で死ぬ、てところまで行ったので、個人的に「病気とどう向き合うか」については自分なりに決着がついている。
取りうる選択肢を整理して、自分のやれることをやったら、後は「受け入れる」のみだ。病気に限らないけど。腫瘍の手術は1回目から2回目の医師(症例数の最も多い名医)にかかっていたら後遺症はなかったので、最初からそのエフォートをすべきだった。一方で後遺症を嘆いて運動を全くしない時期もあったけど、嘆いたところで人生は変わらないので、今の後遺症を受け入れて楽しむしかない。それで50キロのトレイルランとか100キロのウルトラマラソンをするようになった。今はもうなんとも思わない。色々生活上支障もあるんだけど、そういうものだと受け入れている。
そんな訳で病気になっても精神的にはそんなにしんどくないのですが、とにかく顔の半分が動かないので「目が乾燥して見づらい」「口が開かなくて飲み物こぼれる」みたいな物理的な問題があってそれは慣れない。
名医を探そうかと思ったけど、とりあえず自分でガイドライン読んだ結果、早期にステロイド飲んで後はリハビリして回復待つしかなさそうと分かった。
この領域(ヘルスケア領域)やってて、基本的に医師もガイドラインを参考にしている(情報ソース同じ)ということが分かったので、自衛のためにも何かあればまずガイドライン読んだ方がいいと思ってる。その方が先生の話も(ガイドラインと同じだな、と)安心して聞ける。
ちなみにガイドラインによれば、顔面神経麻痺は、10万人に10~40人が発症、早期のステロイド服薬で9割は完全回復する、残り1割は高齢、高血圧等の理由によるものが多いらしい。
後は自分の体の回復力に任せるが、調べてると1年くらい回復までかかるケースもあるらしい…そうだとすると長いがまぁ仕方ないよね、受け入れるしかない。
トレランレース止めた
トレラン自体引き続き好きなのだけど、土日の半日~1日潰す余裕がさすがに現状なく、趣味としての優先順位を下げざるを得なかった。とりあえずレースに出たりその準備するのは止めた。
とはいえ運動全くしないとそれはそれでコンディション的に良くなくなるので街ラン10キロを日々走っている。多分今はガイリーン(箱根の外輪山50キロ。獲得標高3000mくらい)完走できないくらい足の筋肉落ちてそう。どこかで戻したいし、死ぬまでにUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)、そしてUTMB(ウルトラトレイル・マウントモンブラン)に出たいし完走したい。
新ルーティンの「白湯」「冷水シャワー」
白湯がめちゃくちゃ良い。内臓弱いタイプなのだが、白湯を飲むことで内臓トラブルがかなり改善されるように感じている。付き合いのみならずまだお酒それなりに飲んじゃってるけど、寝る前の白湯、寝起きの白湯でお酒ダメージすら軽減できていそう。
加えて冷水シャワーもかなり良い。毎朝白湯を飲み、熱めのシャワーを浴びたあとで最後締めの冷水シャワー。心臓から遠いところからかけていき最後頭からかぶる。しばらく浴びてると冷たいという感覚が消えるのでそれくらいまで浴び続ける。冷水後は不思議と体がポカポカしていて、肌着のままでも寒さを感じない。
そこから10分瞑想するとだいぶ脳がクリアになる感覚を得られる。
現状のルーティンはこんな感じ。
10キロラン(週3くらい)
白湯(毎日、起きがけに飲み、その後も水筒に入れてちょくちょく飲む)
冷水シャワー(風呂入る際は必ず締めで浴びる。朝と夜)
10分瞑想(ほぼ毎日。朝はヴィパッサナー寄りのものやること多い。熊野先生曰く「サマタ瞑想は疲労回復する、ヴィパッサナーは元気がでる」、とのこと。サマタ瞑想は入力のチャネルを絞るのでインプット量が減って脳の疲れが取れるのでは?とのこと。サマタとヴィパッサナーは解説割愛。)
これに日々の英語勉強が入ってくる。いったんこれで成り立ってるので来年もしばらくはこれで行く予定。
2024年どんな?
今がプレシリーズAなので、目先の目標はシリーズA。もちろんミッション(デジタルメンタルプラットフォーム)の方向めがけて、EXITまでの大きなエクイティストーリーを立てて、バックキャスティングしてシリーズAとはなるけど、ここをどんなレベルで通過できるのかはその後のスピードにも大きく関わってくる。そのための仕込みを2024年の前半でどれくらいできるか。勝負の年となるでしょう(ってベンチャーは毎年言ってる気がするけど)。
自分自身も、今の自分の殻を破っていく必要性を感じている。
早く、たくさん恥かいて前に進んでいく。
Have a happy New Year!