20世紀の詩ですが(2)
地に脚をつけて
あきらめるためなら 一〇〇の
いやなことしても だいじょうぶ
道化は 空を見て学ぶ
リズムをひとつ カエターノ
赤い月が のぼっていくね
腐った夏の とむらいをしよう
そして さらさらと消えよう
響いているのは 錆びた鐘の音
いつか聞いたことがあるんだ
耳をこらしても かすかなほど
異人たちの繰り返す ロンド
そこに確かに あったんだ
もう ぜんぶあきらめろ と叫んで
強制するのは どうかやめてくれ
水平に充満する 漆のような雲も晴れ
ここから行ける いちばん遠いところまで
他のところにも出しています。
20世紀末のどこかで、
『早稲田文学』の現代詩特集に出していただいた詩です。
(アーカイブとか、あるのでしょうか。昔の名前で出ています)
4行詩、押韻詩です。
カエターノは
聖カエタノ(ロルカの詩にも出てきます)と
カエターノ・ヴェローゾ(ミュージシャン)をかけています。
尾方佐羽
(おがたさわ)
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