【目印を見つけるノート】72. 海に降る雨に洗われて
きのうは3回救急車の音が聞こえました。最近は消防車も1日に1回ぐらい聞こえます。
⚫海に降る雨
突然ですが、
BOB DYLANの曲に、『One Too Many Mornings』という曲があって、そのまま訳すと、「ひとつの多すぎる朝たち」となるのですが、日本語への変換の仕方にはいろいろな見解があるようです。
わたしは勝手ながら、「余分な朝」とそのまま受け止めています。朝が複数形なのはぼくやあなたの朝だから、かなと。あ、ひとつの見解です。
私にはOne too many summerがありました。自分のものなので単数形です。
いろいろな言い換えができます。
振り返ることは決してない夏。
取り返すことの決してできない夏。
自分ではどうしようもなかった夏。
まるつぶれのひどい夏。
余分な夏。
でも、その夏の中にひとつだけ、
余分ではない、覚えておきたい、
素敵なことがあったのです。
初めての海に行きました。
海水浴です。
ちょうど、台風が近づいてきていました。波はおそらく遊泳できるギリギリの高さだったと思います。本当に波が高くて、ちょっと怖くなるぐらい。華奢な水着が外れて流されそうなぐらい。
そういうときは返って慎重になるのです。安全に楽しみましたのでご安心を。
波をときどきまともにくらいながら空を見ると、真っ黒な雲がどんどん近づいてきます。そして、
ザーッと雨が降ってきました。
スコールといった方がいいのかもしれません。
海面にボツボツ雨が刺さって跳ねて、
丸い跡を無数に残していく。
それを見ていたら、なぜかとても気分が高揚してきました。
もちろん私も、海にいる他のひとびとも
みんなどしゃ降りのシャワーを浴びています。波もまだ高くて、海にまみれて雨に打たれて、それなのになぜか、とても楽しい。
太陽がパアッと見えてきました。
でもまだ、雨がザーッと降っている。
ふと思いました。
「私は、洗われているんだ」
海と空に洗い流してもらっているのだと思えたのです。
余分なものをすべて。
とっても気持ちよかった。
ヤコブのはしごのように
射してくる太陽に照らされて、
私はある歌を思い出しました。
すべて再び 海に
今、ぼくの嵐が
この海に降る雨をもたらした
ぼくを再び 洗い流すために
ぼくの船は航海に出る
聞こえるかい 優しい響き
波の下から 叫んでいる
波の下から 叫んでいる
(『Ocean Rain』Echo and the bunnymen 紹介のための意訳)
その夏は、続く秋や冬を迎えて遠くに去っていきました。そして、秋や冬は想像もしていなかった方向から、忘れたくない素敵な贈り物をいくつもいただきました。その節はありがとうございます。
なので今は、あの余分な夏にも意味があったのだと思えるようになりました。
今年はどんな夏になるのでしょう。
ライブハウスの基準のキツさに、「ああ、人数がそこまで制限されると、もうチケットは取れないかもしれないな」などと少し意気消沈しています。
今週の6月18日はTHE GROOVERSの藤井一彦さんの弾き語りライブが無観客有料配信されるので、私はネットで初観覧(配信を受ける)してみます。
そのような機会があるのはとても嬉しいです。
いかしたライブ、楽しみにしています。
(これはたぶん自主的な宣伝というものです)
変わることはあるでしょうが、
余分な夏にはならないように思います。
ただ、このような「新しい生活」を見聞きするにつけ、
少し前に見た『ブレードランナー2049』という映画を思い出します。
じかに触れることなく、VRの映像で愛し合う恋人たちのことを。
そのようなブルーや
雨が鬱陶しくなる日には、
海に降る雨に芯まで洗われた
あのときの気持ちを抱きしめてみようと思います。
⚫お籠りクラフトとばら
赤いものが作りたい熱がまだ続いていまして、今回はもう、赤!という感じのネックレスを。ここまで赤いガラスビーズはあまり見たことがないので、ちょっとドキドキします。これぐらい赤いと、他と混ぜるとかペンダントヘッドを付けるわけにもいきませんでした。
もうひとつ、チェコビーズとムーンストーンのイヤリングです。ムーンストーン、少し輝きが撮れました。
ばらさぁん、元気かな。
それではまた、ごひいきに。
おがたさわ
(尾方佐羽)
追伸 去年の7月14日から今年の6月6日までの画像(カメラ)データがまるごと飛んでいることに気がつきました。ひゃ~。今日のテーマがいけなかったのかしら。いやいや、違うでしょう。
来週以降にまたハンドメイドアクセサリーのギャラリーをのせます。データが飛ばないうちに(苦笑)。
追伸2 本文とは関係ないですが去年は8月からとてもハッピーでした。文章が踊っていて、見ていて照れました。日記を付けておくと本当に便利ですね。いろいろな夏があります。
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