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わたしの幸せな結婚 18話の感想/清霞の真摯さと美しい情景にうっとり♪

※ネタバレ注意
当方は、原作を何度も読み込んでいるかなりディープなファンですので、その点ご了承ください。
 
※今回は、個人的に佳斗の父・壱斗さんへの思い入れが人一倍強いせいで、少し愚痴っぽくなってます。ご了承ください。<(_ _)> 

18話のサブタイトルは「心の奥は」


冒頭は、薫子のことを悪しざまに罵る男性隊員に物申す美世さん。
彼女は普段は控え目で大人しい印象だけど、けしてそれだけじゃない
んです。
別邸でも異能を使って村人を助けたように、自分にとっての譲れない
場面では、毅然とした一面も見せる女性であることが徐々に明らかに
なってゆきます。彼女もまた虐げられてばかりだった存在から、日々
成長しているのです。
 
あわやというところで薫子の登場で事なきを得て、掃除の済んだ給湯
室へ移動し、女子だけの秘密のお茶会へ。
厳しい男ばかりの職場で孤軍奮闘を余儀なくされる薫子さんの為に、
手作りのスイーツを用意してくる美世さんの優しい心遣いに、おもわ
ず観ている方もほっこりしました♪

美世さん手作りのスイーツで、女子だけの秘密のお茶会をする二人。


OPの後は、清霞と一緒に軍病院へ五道の見舞いへ訪れる美世。
廊下で偶然出会ったのは、清霞の母方の親戚で、治癒の異能をもつ
人物・雲庵。
原作の印象だと独特の喋りや笑い方もあって、かなりキテレツな
感じでしたが、アニメではだいぶふつーっぽくなってましたね。
握手をしながらさりげなく美世の手のあかぎれを治してくれる
なんて、乙な演出でした♪
 
いざ、佳斗の病室へ入ったら、清霞が露骨に動揺し‥そそくさと
退出。原作では一志もまた美世と入れ替わるように出ていくの
だけど、なぜかそのままいるな・・と思ったら、佳斗が言えない
薫子のことを代わりに美世さんにさらっと彼が告げるのでした。
原作6巻でも似たような場面があるので、ここでも彼の出番と
なったのかな?

清霞が退出した理由に心当たりのある五道は、それを美世に話して聞かせる。

 
退出した清霞のことをいぶかしむ美世に、佳斗が話して聞かせる
清霞の過去。
これについては長くなりそうなので後回しにして、とりあえず
先へ進みます。
 
それから、例によって今回も二人だけの重要な一幕
お見舞いの後、とても見事な色合いの銀杏並木を通り抜け、辿り
着いた先はこれまた美しい眺めが見渡せる水辺のベンチ。
今作品においては、特に美術背景の美しさが際立っていますけど、
今回もとても美しい情景に心癒されました。(*^.^*) ほうっ

水辺の情景がとても美しいベンチに並んで腰かけ、話し込む二人。


そこでついさっき、佳斗に背中を押されたばかりの美世さんが
思い切って、清霞に薫子との関係を問いただします。ここの会話
も原作とはだいぶ変わっています。
 
原作小説では、最初に
「わたし、旦那さまを知りたいです」と言われ、
美世が自分に関心を持ってくれたことに清霞が喜び、声を上げて
笑うことまでしてみせるのですよね。
さらに、佳斗の負傷で過去を思い出し無様な姿を晒して、美世に
愛想をつかされるのを怖れていたことを白状するのです。(こう
いう率直で馬鹿正直な感じが、清霞ってO型っぽいな~と勝手に
解釈してたりします)
 
「わたし‥もし旦那さまが離れたいとおっしゃっても ―― もし
 本当に何か離れてしまうような出来事があったとしても、絶対
 に追いかけると決めていますから」
「安心しろ。私もお前の手を放しはしない」
と、先に互いの気持ちをしかと確認し合うんですよね。
 
で、その後で美世に薫子との関係を聞かれて
「すまない。私のせいだな」と頭を下げたうえで、
「陣之内とは何もない。今も昔も」
原作小説では照れくささもあってか、少し拍子抜けするくらいの
あっさりテイストで終わってました。
 
それがアニメでは、清霞の謝罪から始まり・・
「恥ずかしい話だが、五道の容態を実際に目にして動揺してし
 まったんだ。お前にそれを気取られたくなかった」
「私は自分のことを語ることが得意ではない。お前にも余計な
 心配をかけてしまったな」
 
その後、薫子と恋仲だったのかを聞かれ・・喜ぶ描写はなかっ
たけど、セリフも態度もめっちゃ真摯的でしたね。
「はっきり言う。私が認めた婚約者は美世ただ一人だ。陣之内
 は今も昔も私の優秀な部下だ。それ以上でも以下でもない」
「私を信じろ」
美世の両肩に手を置き、正面から彼女の顔を直視して告げる
清霞。
とても彼の誠実さを感じる場面になっていて、良かったと思い
ます。

薫子のことを聞かれ、正面から美世の顔を見て、答えを告げる清霞。


その日の夜、夢見の異能のせいか、不吉な夢を見る美世。
夢の中とはいえ、手に突き刺さるガラス片が痛そう・・‼
 
それから翌日の給湯室。昔から一方的な片思いにすぎないけど、
今でも未練がましい気持ちを捨てきれずにいることをついに告白
する薫子。
 
この場面、原作では互いにないものねだりで、嫉妬しあっていた
んですよね。薫子の方は、清霞を魅了した美世の女らしさを妬み、
美世の方は、女性でありながら清霞の隣りで戦える薫子の戦闘
能力を妬んでいたのです。
綺麗ごとだけではすまない醜い嫉妬心を二人して晒け出したうえ
で、今度は美世の方から手を差し出す・・って感じでした。
 
それが、アニメでは、純粋にあなたのその人柄が好きだから、
理由が何であれ、あなたとの友情を失いたくない‥と、いたっ
て直球勝負で相手の懐に飛び込んでいってましたね。
「初めての女友達がこんな私でいいの?」
「薫子さんがいいんです」
実に美世さんの素直で純粋な人たらしっぷりが、功を奏したと
いう感じ。(笑)

隠し事をしていた己れを恥じる薫子に、美世は自分の素直な気持ちを彼女へ伝える。


場所が変わって、新が宮城から帝が拉致されてゆくのを目撃。
式で知らせを受けた清霞がただちに帝救出の為、屯所を留守に
することになってしまう。
ラストは、清霞不在の隙をついて、易々と結界をすり抜け、
門番を排除し、美世の眼前に姿を現す甘水・・で今回は幕と
なりました。
 
ここで、入院中の佳斗が語った清霞の過去のシーンについて。
要は彼の父・壱斗さんの殉職話なのですけど、今回驚いたのが
壱斗さんのキャラクターが原作とあまりに違いすぎ・・!
( ̄□ ̄;)カ゛ーン
 
壱斗さんに関しては、アニメ第1期のDVD特典の書下ろし小説と
現在最新刊の8巻にも登場しています。
息子の佳斗に似た中肉中背で、背の高い清霞と肩を組むのに
難儀するくらいの、身長はやや小柄な方。あと人好きのする
少年っぽい笑顔と明るさが特徴的な御仁だったんですよね。
息子(佳斗)以上に不器用で不愛想な清霞のことを、何かと
いじり倒すくらいのなかなかに癖の強いキャラクターだった
んです。
 
それもそのはず、彼はなんと清霞の異能のお師匠さまで、生まれ
つき虚弱体質でありながら、久堂家当主として人一倍異形討伐の
お役目を引き受け、多忙を極めていた父の正清氏に代わって、
幼い頃から清霞の指導をしていたらしいのです。

その為、清霞にとっては、実の父親以上に彼の人間性や人格形成
に多大な影響を与えたに違いない、超重要人物なのです。
(実の両親からは放任に等しい扱いを受けてきた清霞にとって、
母代わりがゆり江さんで、父代わりが壱斗さんな訳)
 
とにかく、任務中に殉職した以外はアニメの方は全部捏造で、
原作とはまるで違ってます。かつてない強大な敵が現われ、
壱斗さんが部下と共に討伐に向かう前後で清霞との関係がこじれ、
清霞があえて同行を拒否したせいで甚大な被害が出てしまうの
です。(まだ清霞が軍属でない、学生だった頃の話だし、けし
て清霞一人の罪ではないのですけど本人は自分の罪だと思い込ん
でいる‥)
 
第2期においては、佳斗が病室で美世さんに語る中で少し出てくる
だけなので、今回の異能心教の話そのものには大きな影響がない
のは確かだし。
第3期とかあるにしてもまだずっとずっと先のことだろうし、今回
は無難に当たり障りなく‥で、ああなったのでしょうけど。
でもまさか、あそこまで変えてくるとは思いませんでした。
は~(-_-)
 
車に例えるなら、外車のオープンカー(ポルシェ)あたりを想像
していたら、割とありふれたプリウスだったって感じ。
年々異能が衰えていた‥なんて余計な後付け設定もかなり微妙‥。

共に戦おうと差し出された軍刀を、この時の清霞は拒絶してしまう。


かの『鬼滅の刃』においても煉獄さんの母君が
「生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者は、その力を世の
 ため、人のために使わねばなりません」
と息子に教え諭しています。
ですから、あのやりとりで超簡潔にまとめたこと自体は、そう
悪くもなかった印象なのですが・・。ただセリフ重視でセリフ
の方へキャラを寄せてしまったのか
って感じ。(-_-;)
 
こちらとしてもオタ歴何十年の人間ですからね。アニメだとまず
限られた予算ありき、限られた時間ありきだっていうのは、重々
承知してますけど・・。
それでも、これをやっちゃあマズいでしょ‼っていうのはあると
思うのです。
原作の根幹にかかわる部分ですからね。さすがに今回はそれを
痛感してしまいました。( ̄_ ̄|||) どよ~ん
 
 
【ここからは追記です】
そういえば、少し前に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に
ハマってましたけど、最後の劇場版アニメが原作とはかなり違う
ストーリーになっていたのを今回の件で、ふと思い出してしまい
ました。
それでハタと気づいたんですけど、やっぱり原作のマニアック
テイストをあえて薄めて、より一般大衆に受け入れやすい形に
した
ってことなのでしょうか? 
 


『ヴァイオレット』のアニメ版を視聴して、なぜこんなにも原作
との隔たりがあるのか、不思議に思ったんですよね。特に原作版
では女性である彼女の不利を補う為に、攻防一体となる特別仕様
の巨大戦斧が用意され、それを駆使して戦う設定なのですが、そ
の最たるマニアック設定がアニメでは一切出てこないのです。
 
筋金入りのオタク人間的には、彼女がなぜこんなにも強いのか、
彼女の強さの秘密にまずもって惹かれ、原作を深堀りした挙句、
なかば鉄板とも言える“強化人間もどきの洗脳美少女設定”にすっ
かり魅了されてしまったのに・・。
 
アニメでは、オタクの多くが血沸き肉躍るバトル描写ではなく、
あくまでヒューマンドラマ重視だからこうなってしまうのか・・
と勝手な解釈で捉えておりました。(^^; 
 
『わた婚』においても一部の人達の中には、“異能や異形とか
ダークファンタジー要素はいらん!二人のラブロマンスだけで
いい!”といった声もあるみたいですしね。
特に某アイドル目当てで実写版映画から『わた婚』を知った人、
漫画やアニメとは無縁だった人にとっては、グロテスク描写・
流血描写等が苦手な人もいらっしゃることだろうから、なおさら
ですよね。
 
ただ長年『グィン・サーガ』『破妖の剣』『ファイブスター物語』
等と付き合ってきた人間としては、顎木先生の ≪あくまでも
『わた婚』はダークファンタジーありきの作品です≫ ‥という
お言葉を尊重したいと思っております。
 
もちろん、アニメにはアニメでしかできない描写・表現の仕方が
あることでしょうし、それこそがメディア展開の醍醐味でもあり
ますから、あまり細かい部分まで批判するつもりはないのです
けどね。
ホントに今回の件だけは、かなり個人的にひっかかりを感じて
しまったのでした。(^^;
 
★余談ですけど、今年の3月は、FSSとわた婚の新刊が両方発売
されるとあって、今から盆と正月が一緒に来るような気分です。
ヘ(^o^ヘ)(ノ^o^)ノわぁい♪

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amane
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