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大河原町樹木医の業務 2023年5月24日up
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ナラタケモドキという山きのこをご存じですか?食べたことがある方はわかります。おいしいキノコですよね。「きのこ(木の子)」は真菌類で菌の塊なのですがこの菌、実は桜にとっては天敵で一度感染してしまうと治すのが非常に難しい病気です。この菌がこの辺一帯に蔓延っているのです。いま活力剤の樹幹注入(点滴)と土壌改良の両面から手を尽くしているところです。写真は加圧式による樹幹注入。
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農薬はマシン油乳剤。カイガラムシなどの退治に効果があります。
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望遠鏡付ハンドレベルを使用。
いままでは他から借りていたのですが、不便で仕方がないのでメルカリにて購入しました。測機舎の昭和レトロですが十分使えます。
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SDGsの取り組みとしてゴミを再利用し植物活性剤(2価鉄)を製造し、これで桜の寿命を少しでも先に延ばそうというもの。緑茶のタンニン分とスチールウールや鉄くぎとで反応させますが、桜の落ち葉、切り株の残渣なども利用します。この日、大きな改善が見られ喜び合いました。
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桜は大木になると通行の邪魔になって切られたりしますが「桜切る馬鹿」と言われるように切ってしまうとそこから腐朽菌が入ってしまうわけです。写真は腐朽したところが危険になったためその部分を切除したあとの木口部分です。昔、杉材だったのでしょうか?電柱は腐朽防止のため匂いのきついクレオソートが塗られ、頭にはトタンの帽子でした。先輩方はよくご存じです。トタンの帽子もいいのですが加工や設置が大変です。そこで軽量なルーフィング材を使用してかぶせてみました。
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写真はヒラフスベ(アイカワタケ)です。古木からは年々キノコの発生数が多くなっており、ほかにもカワラタケ、カワウソタケ、コフキタケ、ベッコウタケなど多種類に及び、これらは見過ごすわけにはいきません。何故ならこれらは木材腐朽菌と言って樹を腐朽させる原因となっているからです。切除した患部を大きくえぐり取り殺菌剤(墨汁入り)を塗布しました。
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白石川堤の桜並木の中で黄色い土が円形に盛られている所があります。前に河川法の改正で現在の位置に植栽ができなくなっており将来歯抜けになる話をしました(大河原町の広報「尾形政幸先生の花は桜木(第10回)」参照)。そこで存続が危ぶまれる株の中から今回12株を選定し「「萌芽更新(ほうがこうしん)」を行うこととしました。萌芽更新とは樹木の伐採後、残された切り株の休眠芽の生育を期待して森林の再生を図る方法でナラやクヌギなどでよく用いられます。 この方法なら植える行為には当たりませんが、特別古い樹ということでリスクもあります。そこで切るのを後にして「孫生え(ひこばえ)」に着目しました。孫生えとは根元の表面に露出している部分から出る枝を言い、普通は切除される運命ですが、これを3年位かけて発根、成長させ親木と独立させようというものです。 作業は5月24日にスタートしました。まず、樹木と孫生えを径2mサイズの円形枠で囲み、次に近くの土場から複数の課の皆さんの協力で山土を運び盛土しました。茎のところに土をかぶせる方法は発根法の1つとして広く用いられ、「取り木」という手法にも属します。 なお、根の発達は微生物によるところも大きいため土壌改良剤としてバーク堆肥、木炭、化成肥料、石灰を混合しています。(堆肥は微生物を介し植物ホルモンのオーキシンを発根促進にちょうど良い濃度で生産します。また、堆肥を入れると肥効は遅効きになるのが普通ですが、石灰を入れることで細菌が活躍し窒素分が効きやすくなります。) 残念なところでは来年の植樹百年を前に今年だけでも3本が枯死しています。ウメノキゴケ(地衣類の一種)が樹の表面を覆い、樹勢のバロメーター的存在の孫生えもまったく見当たりませんでした。このような株を萌芽更新するには、その前段階として応急処置が必要なようです。