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年商2兆円を超えても現場に権限移譲を続けるドンキホーテ

日経XTREND連載のドンキホーテの連載がとてもおもしろかった。

そもそも、認識がなく驚いたが、ドンキホーテを運営するパン・パシフィックインターナショナルホールディングスの年商は2024年に2兆円の大台に乗り、今や、7&i(11.47兆円)、イオン(9.55兆円)、ファーストリテイリング(2.77兆円)に次ぐ、巨大企業なのだそう。

あのドンキが、そんなに大きな会社になっていたとは。

そして、興味深いのはそれほどの大規模になっても、現場への大胆な権限移譲をし続けているところ。例えば、「メイト」と呼ばれるパートタイムスタッフにも、仕入れの権限があるそう。顧客と直接接する現場感覚を最優先とし、現場の一人ひとりに権限を与え、責任をまっとうすることを求めている。

ただ、カテゴリーリーダーも各部門の部門長に、部門長もその部下の担当者に、どんどん権限を委譲していきます。結局、仕入れ権限の責任者はカテゴリーリーダーですが、それは最終責任を負うということのみで、彼らが実際に仕入れを手掛けるのはほんの一部。ほとんどは、権限を与えられた、各店舗の最前線にいる従業員が担当しているのです。しばしば本書に出てくる、当社グループの企業理念集『源流』には、「自分の権限を自ら剥奪し、部下に与える」とあるのですが、文字通り、その通りやっています。実際、いわゆる正社員でない社員(当社では「メイト」さんといいます)が、普通に仕入れ権限を持っているのが当社です。当社グループの仕入れの1兆6000億円は、全てこの方式で仕入れてるんですよ。ちょっと変わってますよね。でも、だからこそ、若い従業員が、入社からの数年間で、どんどん実力をつけてきて、グングン伸びてくる、というのも事実です。

日経XTREND記事より引用

ネット通販と実店舗では、そもそも現場で入ってくる情報の質も量も異なるが、超零細小売企業の我々としても、学ぶところが多いと思った。

ネット通販における、顧客と出逢う接点は商品ページになるが、商品選定・企画→仕入れ交渉→商品ページ作成 までを一貫して1人の担当者が担当して、それぞれの担当者の商品がどのくらい売れたのかを一目瞭然にするのもおもしろいかもしれない。チームでやっている感覚が弱まったり、個々人が身に着けなければならないスキルが多くなりすぎるなどのデメリットはあるが。

いずれにせよ、「どうやったら本当にお客さんが喜んでくれるだろうか。驚かせられるだろうか」を主体的に一人ひとりが考えられる組織づくりの例として、ドンキのやり方はもっと勉強してみたい。


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小笠原 隼人
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