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探究活動事例2 ~「本物との出会いを!黒田五寸人参」~

<今までの課題:特産物での地域活性化策は“商品開発”がほとんど?>
 大村市の特産物に「黒田五寸人参」がある。ほんのりとした甘みが特徴の人参である。写真は、その花である。
 
 高校の探究活動ではよく「地域活性化」として、地元特産物を用いた何らかの商品開発、が定番で挙がってくる。その多くがまた、レシピ開発やスイーツ開発にいく印象がある。黒田五寸人参に関しても例外ではなかった。
 レシピ開発はどんどん実施されてよいし否定する気はさらさらない。しかし、何だか世の中の高校生の探究活動ネタとしてありふれすぎてきた。
 
 また、レシピ開発を行った高校生に聞けば、該当作物に対する背景知識に乏しいことが多い。栽培者に出会ったことは無いし、どのように育つかも知らないなど、実は表面的な開発のみに終わっているのではないか? これは私の周囲に限らず、全国的に見てもその傾向はあるのではないか。   
 
 私の疑問:「特産物を使った商品開発、そればかりでいいのだろうか?」

 もっと、その特産物自体にある栽培方法・歴史・人など、特産物そのものを別の角度から見た魅力を引き出せる探究活動があってもよいのではないか?

<現地の、原種育成会や農協の方々との出会い>
 その疑問が湧いてきた矢先、農協の方とつながる偶然が重なり、お話を持ち掛けたところ、「ぜひ、農業自体に関心を持ってほしい。」とのご意向もあられて、まずは畑を見たり、種取り作業を見るような日を定期的に設けていただいて、生徒が見学に行ける日を設定していただくことができた。

 2024年5月9日 生徒4名、職員2名で、黒田五寸人参の花が咲く圃場(畑) を見学させていただけた。
 現地では、原種育成会の方と、農協の方とでご対応いただき、栽培に関すること、肥料・農薬のこと、種の保存のこと、畑の維持のこと、市の道路開発で畑がなくなりそうだということ、様々に教えていただくことができた。
 
 生徒自身が、これから探究活動のテーマを決めていく。テーマがスイーツ開発になるにしても、現地の畑を見ておくことや栽培者と出会っておくことは、探究活動の深みに繋がっていくと信じたい。

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