小川克彦

大学を卒業しNTT研究所に29年、慶應義塾大学に12年つとめて、来年3月に定年。最終講義をやってよ、といろんな人から言われるけど、何を話そうか。今さら仕事の話はやめよう。私の好奇心をかきたてた趣味の実践話はどうか。「ものは考えよう」というタイトルで最終講義ノートを作ろう!

小川克彦

大学を卒業しNTT研究所に29年、慶應義塾大学に12年つとめて、来年3月に定年。最終講義をやってよ、といろんな人から言われるけど、何を話そうか。今さら仕事の話はやめよう。私の好奇心をかきたてた趣味の実践話はどうか。「ものは考えよう」というタイトルで最終講義ノートを作ろう!

最近の記事

ものは考えようーローヌ氷河に京浜急行!?

色気たっぷりのローヌ氷河に誘惑されてしまった! 遠くから白く見えるが、氷河が溶けて流れる水は灰色がかった緑と青の中間色で、トルコ石の色に近いのでターコイズブルーと呼ばれるそうだ。このローヌ氷河を水源とするのがローヌ川で、レマン湖を経てリヨンを通り遠く地中海まで約800kmの旅を続ける。そんな感慨に浸りながら氷河を眺めたのが、初めて海外を訪れた1980年のことだった。 もっとも氷河を見るためにスイスに行った訳ではない。「氷河急行」の写真を撮るためだ。今でこそスイス観光のシン

    • ものは考えよう-趣味人の発想だけど、サービス開発も「電車でGO!!」

      NTT研究所には本物の電車と同じ大きさの模型があった。車内広告を紙からディスプレイにして広告やニュースを表示する。駅に配置したWiFiからコンテンツ映像を電車に送る・・・なんてサービスを開発してデモするために、電車の模型を作ったのが2001年。2015年に登場したE235系と同じコンセプト(もちろんE235系の方がずっとカッコいいけど)。 「JRでもないのに、こんな電車なんか作っちゃって」 という声も聞こえてきたけど、気にしない。FTTH金沢トライアルのマンションデモでう

      • ものは考えよう-ディズニーランドはブロードバンドの夜明け!と言ってみたかった

        スターウォーズのキャラクターがそろって決めポーズをしている。これはフロリダのディズニーワールドにあるハリウッド・スタジオの屋外舞台。映画から飛び出してきたキャラクターたちが演技をするのであるが、何といって舞台は真っ青な空に灼熱の太陽、そしてたまにスコールがあるフロリダだ。スターウォーズ大好きの私でも、しばらく見ていると偽物っぽく見えてくる。 ディズニーにはミッキーやドナルドといったキャラクターがいる。最初はアニメの2Dだったけど、3Dのキャラクターに会える夢の国ディズニーラ

        • ものは考えよう-技術屋だったら、SF映画で夢見たことを実現してみたいと思うはず

          左の写真は1996年にNTT研究所が試作した腕時計電話だ。携帯電話の一つの方式だったPHS(Personal Handy-phone System)を使っていたので「腕P」という愛称になった。1998年の長野オリンピックでも使ってもらった。その頃から毎日のように腕Pをはめて仕事をしていたのだけど、会う人が珍しげに見てくれ、最後の決め台詞は「試作品だから1台500万円だよ!」というとみんな目を丸くした。 子供のころによく見ていた「スーパージェッター」というSFアニメで、主人公

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          ものは考えよう-この大学では「変人」と呼ばれると、それは誉め言葉である

          「民営化しなかったら、君はこの会社では生きていけないよ」と、気の合わないNTTの上司から言われたことがある。今でもその意味はよく分からないが、この会社に合っていない自分がとても嬉しかった(それでも29年いた)。「変わってますね」と、人からよく言われるけど、私は変人と呼ばれるほど素晴らしくはない。 変人というのは、マイルス・デイヴィスのような人だ。映画「死刑台のエレベータ」から聴こえるクールなトランペットの響き、コード進行から脱却したモードジャズ、そしてエレクトリックやフュー

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          ものは考えよう-大学でATGを学んではどうか

          ATGって何だ?アマゾンとツイッターとグーグルのことだと思うかもしれない。でも、実は「明るく楽しく元気よく」のことである。私のモットーだ。 企業の研究所から大学に転職したのが12年前。研究はまあプロなんだけど、教育になるとからっきしダメで、そこで考えたのがこのATGだった。大学のときの家庭教師で、与えられた問題を解きながらつまらなそうにしている生徒を前に、自分自身もつまらなくて辞めてしまったというトラウマがあるからだろう。 学生は何を欲しているか。もともとヒューマンセンタ

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          ものは考えよう-幸せを呼ぶ青い鳥はカメラ!だった

          チルチルとミチルが、過去や未来の国を訪れて幸せの青い鳥を探す話はよく知られている。青い鳥は身近にいるんだよ、という寓話だ。でも、案外知られていないのが、私たちの身近にいる本物の青い鳥だ。日本ではルリビタキやオオルリだと思う。 これはルリビタキの写真だ。それこそ幸せなことに、2016年1月から3月までの短い間だったが、歩いて20分ほどの近所の森に美しい姿と鳴き声を披露してくれた。15cmくらいの小さなルリビタキを撮影するには、近づくと逃げてしまうため、遠くから望遠レンズを使う

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          ものは考えよう-幸福駅で撮った1枚の写真はピンボケだったけど・・・

          これは北海道の広尾線幸福駅を走る蒸気機関車(SL:Steam Locomotive)の写真である。1974年12月23日の早朝、朝陽をバックにした貨物列車のシルエットだ。ちょうどSLが現役から退く頃で、多くのファンが全国のSLを求めて写真を撮っていた。学生時代の私もその一人だった。 実はこの写真、ちょっと見るとすぐに分かるがピンボケである。この頃のカメラには今のようにオートフォーカスはない。ピントはあらかじめどこかの場所に合わせておく。それにデジタルカメラではなく、アナログ

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