山椒の魅力
奈良文化財研究所の資料「香辛料利用からみた古代日本の食文化の生成に関する研究」によると、遺跡などから普遍的に出土しているため、縄文時代や弥生時代にはすでに使われていた可能性のある和製スパイス「山椒」。
https://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/22/22752/16696_1_香辛料利用からみた古代日本の食文化の生成に関する研究.pdf
日本では山椒と言えば=ウナギ、みたいなイメージが強いように思いますが(地域によるかも?)ヨーロッパではミカン科の柑橘のような清々しい香りとピリッとした刺激に魅力を感じたパティシエや料理人によって「YUZU」などと共に日本を代表する農産物になろうとしています。
その山椒の魅力をもっと知ってもらいたいと思って企画している「季節の手仕事ー山椒の会」。
樹から収穫、選別、茹でる、漬ける、食べるところまで一緒にしながら、山椒のことについて深掘りしていきたいと思います。
山椒醤油をきゅうりに和えたり、山椒オイルをパスタやポテトサラダ、ドレッシングとして使ったり、山椒の塩漬けをごはんにのせたり、おむすびにしたり。お菓子やパンに練り込めばスパイシーな大人のスイーツに。いま仕込んでおけば料理のバリエーションがぐっと広がります!
山椒の漬け込み方の手順を描いたチラシも作りました。オガクロのお店でお渡しできます。これを見ながら山椒を仕込んでみてくださいね。
山椒の収穫はだいたい5月中旬から6月中旬頃まで。それ以降は乾燥させて種を採り、七味などに入れたり粉山椒にしたりします。
「実山椒は販売されないんですか?」
と聞かれますが、新鮮なものを届けたいので早朝から収穫する時間を取るのか難しく、山椒の会を通して収穫に来てもらうスタイルにしています。
6/8(土)の会にはあと2人ぐらい参加可能ですので、もしご希望の方がおられたらDMをお願いします。
■第二回「季節の手仕事ー山椒の会」開催
6/8、第二回「季節の手仕事ー山椒の会」無事終了しました。今シーズンの山椒仕事はこれで終了。
第一回目の山椒の会ではちりめん山椒のちらし寿司を提案したのですが、今日はいまが旬のやさいと山椒の組み合わせをいくつか提案しました。
■ミニトマトアイコの白和え×山椒オイル
山椒の柑橘系の香りがトマトと合うんちゃうかな?と思ってやってみましたがかなり美味しい!しかも簡単。
■作り方
①水抜きしたもめん豆腐と煎った白胡麻をすり鉢で滑らかになるまでゴリゴリ。塩と煮切り味醂で味を整える。
②炙って皮を剥いたトマトを適当にカットして①と合わせたら、上から山椒オイルをかけて塩をパラパラ。
お好みで山椒の塩漬けをのせると可愛くなります。が、山椒が主張しすぎるのでオイルだけの方が美味しいかも。
■春蒔き大根のステーキ×焦がし山椒醤油
今年は初夏の気温が低い日が多いせいか春蒔きの大根がまるで冬大根のように美味しいんです。苦味や辛味も少なくてジューシー。なので冬大根の定番料理、大根ステーキにしてみました。
■作り方
①大根を2cmぐらいの輪切りにして皮を剥き、串が通るぐらいまで蒸します。蒸し器がない場合は茹でてもOK。
※皮はあとで副菜にするので置いといてください。
②油をひいたフライパンにのるなら丸まま、のらない場合は適当なサイズにカットして、弱火で両面に焦げ色が着くまでじっくり焼きます。
③焦げ色がついたら火を止めてから山椒醤油を回しかけてジュージュー言わせながら絡めたら出来上がり。
噛んだ瞬間に溢れ出す大根の甘みと旨みが、焦げた山椒醤油の香りと一体になって美味しい…。ボリューム感、満足感共にあるので十分メインになります。バターで焼いても美味しいですよ。
■やっぱり王道!ちりめん山椒
山椒といえばなんといってもちりめん山椒です。こんな組み合わせ誰が考えたんやろう?というぐらい美味しい。ごはんが進みすぎて怖い…。
ちりめん山椒のレシピや作り方は別の記事に書いているのでそちらを読んでみてくださいね。お酒で炒りつけてアルコールでちりめんの臭みを飛ばすのがポイントです。
■山椒の楽しみ
4月下旬に収穫できるのが「花山椒」。山椒は雄木と雌木に分かれていて2本ないと実がなりません。わろうだには少し離れて雄木と雌木があるので毎年山椒がすずなりになってくれます。
5月中旬から6月中旬にかけて収穫てできる実山椒。誰かが「森のエメラルド」と言ったとか言わないとか。でもそう感じてしまうぐらい本当に綺麗です。
山椒の季節はこれで終わりですが、塩漬けや醤油漬け、オイル漬けなどを利用して一年間楽しみましょう!また来年も企画します。