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ホタテ貝で作れた「HOTAMET」

フレコンバッグに詰められた大量のホタテの貝殻は大船渡の日常風景ですね。廃棄物としてまとめられたそれらの行き先はどこにいくのだろうと考えていましたが、今回はその社会課題に真正面から取り組む面白いプロダクトをMakuakeで見つけました。ホタテの貝殻から生まれたヘルメット、HOTAMETです。

ホタテの町、北海道の猿払村の廃棄ホタテ貝をヘルメットにしている商品です。これは超面白い。

甲子化学工業株式会社さんのプレスリリースを見てみます。

国内の水産物の中でも輸出額が最も多いホタテ。猿払村はホタテ水揚げ量日本一に何度も輝く、国内有数の生産地です。一方、猿払村の位置する宗谷地区では、ホタテを加工する際に、水産系廃棄物として貝殻が年間約4 万トンも発生。※2021 年には、ホタテ貝殻再利用を目的とした国外への輸出が途絶えてしまったことを機に、地上保管による環境への影響や堆積場所の確保などが地域の社会課題となっていました。同村の余剰ホタテ貝殻の状況を知った当社企画開発部の南原徹也は、ホタテ貝殻の主成分が炭酸カルシウムであることに着目し、新素材の材料として再利用できることを思いつき開発に着手。ホタテの貝殻も、村を支える重要な資源として捉え、再資源化の取り組みを開始しました。

ホタテ産地は大量のホタテ貝殻が廃棄物となってしまう地域課題があるという感じですね。これまでも肥料や洗剤などでホタテ貝の再利用を事業化している動きがあるようです。

今回は、廃棄貝殻と廃棄プラスチックをかけ合わせてカラスチックという新素材を開発したということです。

・新品のプラスチックを 100%利用するのと比較して、最大約 36%の CO2 削減に寄与
・石灰岩由来のエコプラスチックと比較して、約 20%の CO2 削減に寄与
・ホタテ貝殻をプラスチックに混ぜ込むことで、強度(曲げ弾性率)が約 33%向上
さらに、廃棄物を活用したリサイクル素材のため、世の中の廃棄物を減らすことができ、地域の廃棄物問題解決の一助となることが期待されます。

貝殻単体で有効な利用法が難しかったのが、廃棄プラスチックと掛け合わせることで、素材としての性能も増しているし、環境への訴求も強くなっているのが面白いポイントのように見えます。

個人的に何より大事なのがデザインがよいということですね。ホタテを思わせるリブ加工がめちゃくちゃクールです。ホタテ貝の構造を模倣したこのリブ構造が耐久性向上に寄与しているそうです。このような生物模倣は、人間が飛行機や新幹線を創り出すプロセスにもありました。ホタテ貝の構造がホタテの再利用にうまくフィットしていて、プロダクトとしての完成度の高さを感じさせます。

産学官の連携でこのような面白いプロダクトが生まれるのはとてもワクワクしますね。このホタメットはクラウドファンディングのMakuakeで先行予約可能です。早速一つ買ってしまったので届いたら自慢してみようと思います。

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