おだやかさの先に(日記98)
先週、こんな記事を書きました。
実習を終えて、やっとひと息ついた週末。
昨日から、同居人氏1の模様替えを手伝っています。
ずっと模様替えをしたがっていた、同居人氏1。
カーテンや、カーペットや、ソファカバーや、収納や、こつこつこつこつ、買い集めたものを、次々と部屋に配置しています。
同居人氏1と力を合わせて(時に小競り合いながら)、おうちが素敵になってゆくかたわら、疲れと空腹で限界になってゆくわたし。
そんなわたしに、仕事帰りの同居人氏2がおいしいお昼ごはんを買ってきてくれて、3人で、ぱくぱくもりもり食べました。
模様替え完成まで、あとちょっと。
しっかり休憩しながら、なんとか最後まで、がんばろう。
10日の木曜日まで、実習に行っていた。
全日程を終えて、最終日、これまでの振り返りの時間があった。
就労移行支援から、担当の支援員さんもかけつけてくれて、わたしと、支援員さんと、会社の方とで、面談した。
全日程を終えて、どうでしたか?
と、会社の方が聞いてくださったので、
毎日違う仕事をやらせていただいて、ほんとうに勉強になりました。
と、答えた。
全日程、毎日毎日、違う方がわたしのサポートについてくれて、毎日毎日、違うお仕事をやらせてくださった。
まだまだ色々な業務があるようだったけれども、少しでも多くの業務を経験して、会社の雰囲気がわかるようにしてくださった。
それだけじゃなく、色々な方が担当してくださることで、複数人でわたしを見てくれて、実際にわたしがここで働けるのかどうか、じっくり時間をかけて、色々な方の目線で、見てくださった。
毎日、それぞれの担当の方が、仕事の終わりの時間に振り返り面談をしてくださって、こんなところがよかったよ、とか、困ったことはありましたか?とか、様々聞いてくださった。
わたしは、その日感じたことや、困ったことや、頑張れたことを、その都度素直に伝えることができた。
そんな感じだったから、全日程を終えた最後の面談のときも、至極フラットに、落ち着いて、素直に、受け答えをすることができた。
すると、会社の方が、わたしをまっすぐ見つめて、こう言った。
はじめさんには、ぜひ、次の段階に進んでいただきたいと思っています。
満場一致で、担当者全員、その考えです。
はじめさんがよければ、11/1からでも、12/1からでも、試用期間に入りませんか?
この場で答えを出さなくてかまいません。
ゆっくり考えて、お返事をください。
わたしは、わあ、と、声が出て、ありがとうございます、と、大きな声で言った。
隣にいた支援員さんも、にこにこしていて、ありがとうございます、と、頭を下げてくださった。
前までの自分なら、不安がベースにあったから、この場で返事をしないと、もうこの先わたしにこんなチャンスは訪れないと考えて、何にも考えずに、11/1からやらせてください!と、言っていたと思う。
でも、今回は、ゆっくり考えてみようと思った。
支援員さんとも相談したいし、同居人氏たちの考えも聞いてみたい。
この場で返事をしなくても、実習で自分ががんばれたことは、ゼロになるわけじゃない。
そう信じられたから、しっかり考えさせて頂いて、ご連絡します、と、言えた。
面談室から退室するとき、支援員さんがぱっとこちらを振り向いて、ガッツポーズしてくれた。
わたしはそれを見て、うふふ、と笑った。
10日に実習を終えて、今日はもう、13日。
時間がたって、気持ちもしっかり落ち着いて、同居人氏たちの考えも聞かせてもらった。
支援員さんは、はじめさんの思うように、じっくり考えてみてください、と言ってくださった。
ここで、試用期間に臨まずに、別の会社を探すことだってできる。
必ずこの会社にする必要はないのだ。
ないのだけれども、今回の実習を通して、わたしは、ほんとうに気負うことなく仕事ができた。
いつもなら、いらぬ気遣いをしすぎて、ぐったりしてしまうところなのに、それが全くなかった。
必要以上に、やさしくされていたわけじゃない。甘やかされていたわけでもない。
ただ、わたしの持っている障害特性に対して、どのように配慮したらいいですか?と、ちゃんと聞いてくださった。
そして、わたしと同じように、さまざまな障害特性を持ちながらはたらいている方たちが、たくさんいた。
その方たちも、ひとりひとり、配慮事項を自らしっかり会社に伝えて、もちろん自分でも対処方法を身につけて、工夫しながら、働いていた。
その環境がほんとうに、ここちよかった。
わたしもこんなふうにはたらきたいなあって、心から思えた。
そういうわけで、試用期間に、進んでみようと思う。
試用期間は、3ヶ月。
この3ヶ月でもしやっぱり合わないなと思ったら、その時はその時で、また考えればいい。
支援員さんも、3ヶ月やってみて、やっぱりちがうなあと思ったら、そこでまた、就職活動を一緒にしましょうって、言ってくださった。
だから、ちょっと、やってみようと思う。
11/1から3ヶ月、こつこつと、試用期間、がんばってみようかなあって、思う。
えっちらおっちら、ぐるぐるぐるぐる、遠回りしながら、生きてきた。
遠回りしたけれど、今目の前にあるあたらしい扉は、今までとちょっと、なんかちがう。
おだやかな、においがする。
おだやかな、感触がある。
おだやかな、そしてゆたかな、音がする。
だからそっちに進んでみよう。
だめだったらまた、戻ってこよう。
まずは扉を、あけてみよう。
そこに待っているものを、いまのわたしは、見てみたい。
この両目で、見てみたい。
投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい