2022年総括 テックニュース TOP10|第6位〜第10位【Off Topic Ep144】
宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再編集したものをお届けする。
今回は、2022年を総括し「テックニュース TOP10」を発表した「#144 2022年 総振り返り!テックニュースTOP10と解説」から、第6位から第10位をピックアップした。「2021年とは様相が大きく変わった」という宮武が独断と偏見で選んだニュースは、2022年の空気感を色濃く反映したものだった。
第10位:D2C企業の苦難
2022年は、D2C企業にとっては困難の多い年だった。昨年から引き続き、商品が届かないといったサプライチェーンの問題やD2C企業の株価の下落などはもちろんのこと、もっとも影響が大きかったはiOSのアップデートだろう。
2021年4月のiOSのアップデートによって、パーソナライズされた広告表示のためにユーザーの情報をアプリ開発側がトラッキングしてよいかを選択できるようになり、D2C企業にとってはマーケティングにおけるターゲティングが非常に難しくなった。これまで顧客獲得手法として活用していたInstagramやFaccebookなどのプラットフォーム上で広告のコンバージョン率が見えづらくなった点は、D2C領域で事業を行う企業に大きな影響を与えたといえる。
これまで成長を続けていたユニコーンクラスのDtoC企業もかなり苦しんでおり、Warby ParkerやAllbirdsも全体的な売り上げは増加しているものの、ECの売り上げは減少しており、店舗の売り上げと比較して成長率が鈍化傾向にある。D2Cの強みである顧客との関係性や体験をダイレクトに構築できる強みを、店舗での体験に反映していくことが重要になるかもしれない。
第9位:プラットフォーマーのTikTok化
昨年あたりから変わらず顕著なのが、各プラットフォーマーが戦略を変え、「TikTok化」にシフトしていることである。一番わかりやすい例がInstagramで、同サービスはTikTokを明らかに意識した「リールズ」機能を2020年にリリースし、非常に高いプライオリティを置いている。2022年4〜6月期においては、リールズの利用時間は30%増、アプリ利用時間のうち約4分の1程度を占めるなどユーザーにも徐々に普及している。
YouTubeも、第3四半期の広告売り上げの減少が「ショート動画」の機能に起因していながら、もともともつ通常動画機能の収益が盤石であることから、高い優先度を維持すると考えられる。
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