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追悼フルタヨウコさん

昨日、すっかりと暖かく柔らかい春の日差しの日曜日の昼下がり、料理家のフルタヨウコさんの形見分けの会に妻と一緒に行ってきました。

2月のまだ寒い夜、僕は長女を寝かしつけるためにベッドで絵本を読んでいて、妻はなかなか寝付けなくてグズる次女に授乳しつつ抱っこでユラユラ。

歩いている方が乳幼児は寝付きやすいから、妻はリビングをぐるぐると歩いていたんだと思います。

ベッドサイドではもう絵本も佳境、読み終わって長女もそろそろ寝付くかな・・・と思ったときに、リビングの方から妻の「嘘でしょ!?なんで・・・」という一言とすすり泣く声がして、ただ事じゃないと飛び起きました。

「嘘でしょ!嘘でしょー!!!」と泣き崩れる妻の様子に、これはまさか親しい誰かが亡くなったのかと、いろいろな人の姿が一瞬頭をよぎりました。

すすり泣く妻の背中をさすっていると、少し落ち着いて来た頃にポツリと「フルタさんが・・・」と。

僕「え?そんなまさか・・・だって、僕らのちょっと上くらいの年齢じゃん。まだアラフォーでキャリアもピークでバリバリ大活躍されてるし、最近だってうちの地元の駅までお願いしてたジャム持って来てくれたりして会ったんじゃないの?」
妻「わかんないよ。。。あった時は元気だったし、最近忙しそうだったけど、ちょっと落ち着いてキレイになったなって思ったくらいだよ。」

その友人からの一報の後、SNSで訃報を調べるもほぼひっかからず。何かの勘違いであって欲しいと願いつつ、2-3日後にもう少し詳しく状況のしるされた訃報が届きました。(北欧、暮らしの道具店さんの追悼記事が敬意と愛情に溢れているのでそちらをぜひ)

(うちで味噌作り後に持ち寄りティータイム。のち昼間から日本酒会。)

出会いのきっかけ

僕がフルタさんと初めてお会いしたのは新婚早々の引越しの時。妻はもともとフルタさんの講座の受講生で、スポットでアシスタントとしてケータリング手伝ったりというユルめの師弟関係。

当時僕の自宅事務所で使っていた小さな冷蔵庫ではフードスタイリストの妻との新しい2人暮らしでは足りなくなり、冷蔵庫を新調しようかと夫婦で相談していたときのこと。

ちょうどフルタさんも引っ越すそうで、引越し先には今お持ちのでかい冷蔵庫が入らないから譲ろうか?とありがたいお申し出を頂いたのが最初でした。

通称:ヌリカベと呼ばれていた壁のようなでかい冷蔵庫は、結局うちでも冷蔵庫スペースには入らずにリビングの一角で大黒柱のように立っています。

その後もヌリカベの様子を見に遊びにいらして頂いたり、一緒にお味噌作りをして日本酒飲んだり、フルタさんがイベントでジャムを販売する時には家族で遊びに行ったり・・・

うちの朝食はパン派の僕のリードでパンが多いのだけれど、よくフルタさんのジャムとヨーグルトを合わせて一緒に食べていました。

いろいろなフルーツにスパイスなどを組み合わせた独創的なジャムは、色艶も美しくおまけにおいしい!

うちの妻が最後にあった時に頂いたジャムは3個。おいしく大事にいただきます。


受け継いだ形見

昨日の形見分けの会、フルタさんの人柄そのものな暖かい部屋で、妻がこれから仕事で使わせていただけそうなモノをいくつか譲り受けました。

この春から憧れの先輩だったフルタさんのいる吉祥寺にうちも拠点をつくって、遠い先輩の背中に一歩近づけたね。なんて話をしていた矢先の出来事。

憧れの先輩は最前線で大活躍をしたまんま、すごいスピードで天国へ行ってしまいました。圧倒的勝ち逃げ。

譲り受けた道具でいい仕事を伝えて行くことが、きっとフルタさんも喜んでくれると思う。

寂しさと悲しみも感じつつ、でも暖かい空間にはフルタさんの周りの方々の優しさや温もりが充満していて、柔らかい春の陽射しに頑張ってねと少し背中を押されるような、そんな幸せな形見分けの会でした。

人は誰でもいつかは死ぬけれど、その日その時まで悔いなく生きよう。フルタさん、一足先にそちらで日本酒あけててください。いつかまた、妻と一緒にそっちでも日本酒会しましょう!


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ヤマシタ マサトシ
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