日常の解像度〜朝食のバゲット編〜
寒の戻りなのか、冷たい雨が降る朝。地元のなじみのパン屋さんのバゲットをかじりながら、なんだか違和感を感じた。
「あれ?なんか味変わった?」
そういえば、珍しく一本ではなくハーフカットで店頭に並べられていたし、リベイクして切ろうとした時に外皮の柔らかい感触が気になった。
「う〜ん。粉の味は変わってなさそうだけど、柔らかくなったよね。詰まったもちもち感も減った気がする。」
妻とあーでもないこーでもないと違和感の正体を探る。
ちなみに僕も妻もパン職人ではない。ただのイチ消費者だ。
結局、僕らの推論としては地元の高齢者の顧客が多いからバゲット1本は食べきれないのでハーフカットで出すことにして、穴だらけと揶揄された長期発酵はやめて加水率と発酵時間を調整して身の詰まったソフト路線に変えたんじゃない?という事に。
正直、前の方がおいしかったなぁ。。。僕と同年代のオーナーさんがフランスのアルザスで修行して来たそのお店は、小さいけれどとても質の良い仕事で粉の風味の豊かなパンを作ってる。
同じ武蔵小金井に住んでいる友人のグラフィックデザイナーさんもそのパンのファンで、彼いわく都内有数の美味さとの太鼓判までもらっている。
穴だらけのバゲットは確かに損した気分になる人もいるのかもしれない。でも、ドーナツの真ん中の穴が必要なように、バゲットの身の気泡の跡はその分だけ身の詰まったもちもち感になっている。
まぁ、顧客のメイン層が高齢化しているから、そこにあわせる経営判断は否定しないけど。作り手のご本人がおいしいと思っているパンを貫いてほしいなぁ。
今度、お店に行った時にチラッと感想を伝えておこう。
朝食のパンひとつでも、視点の解像度をあげれば見るところはたくさんあるよねって話でした。
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