エベレストの標高と平均海面

先日、小さなニュース記事でエベレストの標高がGPSを使って正確に測定されたというのを見た。これまでにもエベレストの標高についてはいくつかの測定結果があって議論になっていたらしい。

最新の技術を駆使して正確な値を測定したとのことで、それはそれでよかったと思う。センチメートルの単位まで測定できたようだ。

まだ行ったことはないが、エベレストの山頂は、雪や氷で覆われているのだろう。だから本当の意味での山頂は雪や氷のない岩肌で一番高い場所を指しているのだろう。何か目印でもあるのかな?仮に目印がなくても、周りを見渡して、"一番高いところ" はたぶん目で見てはっきり特定できると思う。

しかし、ここで疑問がわいてくる。「標高」と言ってもいったいどこからの高さなのかな?辞書的な意味では平均海面からの高さということになる。

平均海面はだれがどんな方法で調べているのかよく知らないが、考え出すと頭が混乱してくる。

普段でも海面は常に波立っている。大きな低気圧が近づけば海面が上昇して高潮になる。つまり気圧によって海面の高さは変化する。月の引力で上げ潮や引き潮が起こり海面の高さは上下する。地球の自転による遠心力も働く。赤道近くと極地では遠心力もかなり違うだろうから、海面の高さも変わる。また、将来さらに地球温暖化が進めば、極地や寒冷地で固定されていた氷が大量に解けて海水面は上がってくるはず。

いや、一方の山頂の方だって永遠不変のはずはない。地殻変動で山の高さは変わるだろうし、気象による風化も考えられる。それに、登頂に成功した人が山頂に落ちている石を(こっそり?)記念に少しずつ持ち帰ったとしたら山も低くなるかも。

いずれにしても、世界一高い山はエベレスト、2番目に高い山はK2なのは間違いない。

ここで、ちょっと心配になって調べてみたら、2つの山の標高の違いは200メートルほどだった。巨大地震や火山の大噴火、隕石の衝突でもない限り、当面逆転はないだろう。

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