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「対話型の学びが生まれる場づくり」を読んで考えたこと

こんにちは
イデアレコードの左川です、

最近、人事関連についてはリクルートワークス研究所が発行したものを取り上げる機会が増えて、ウォッチャーみたくなっています。が、直近でリリースされた「対話型の学びが生まれる場づくり」も非常に興味深く、気づきも多く、その中で特に「知的謙虚さ」が印象的だったので、そこに焦点をあてて考えてみた。

知的謙虚さ(intellectualhumility)とは、アメリカの私立大学であるデューク大学のマーク・レアリー氏が2017年に提唱した考え方だ。開放性、好奇心の強さ、あいまいさの許容度との相関が高いこと、そして、学習行動や学習成果、批判的思考、協働的な学びとの関連が見られることが明らかになっている。謙虚さは控えめな態度を指すが、知的謙虚さは自身の知性に対する限界を認め、限界があることを前面に出し、その結果を受け入れることを意味している。

「対話型の学びが生まれる場づくり」P23より抜粋

「仕事の幅を広げたリ、ものの見方を変えたりするような、仕事の立体的な理解につながる」ことに対して、対話型の学びの影響が大きく、知的謙虚さを媒介することによってその効果がより大きくなることが示されている。他者から学び、対話を通じて新たな知恵を生み出すには、大前提として「自分はここまでのことしかわからない」という自身の知的限界を示すことが重要だ。知的謙虚さのなかに含まれる、自分の意見や立場・視点を疑うこと、新たな事実が示された時に自分の考えを変えたり、意見を再考したりすること、異なる意見にこそ価値があると考える認識論的な信念は、その後の学びを活性化するのに大きな役割を果たしている。

「対話型の学びが生まれる場づくり」P24より抜粋

「知的謙虚さ」というワードは初めて聞いたのだが、今の時代において重要な要素になっているなぁと実感はある。学歴が良いからといって決して「知的謙虚さ」が高いとは限らない。むしろ変なプライドがあることで、柔軟性をなくしてしまい、あいまいさを許さないスタンスを崩さないパターンも少なくはなかったりする。そういう方は概して周りとのコミュニケーションがうまくいかないことも多く、場合によってはブリリアントジャークになってしまう可能性もあったりする。

サイバーエージェントの藤田社長は、「本や映画、舞などによって感性を磨くことで、人や組織に対する洞察力が磨かれる」というようなことをお話していたりするが、それは「知的謙虚さ」にも通じることだと思う。これを鍛えることによって「知的謙虚さ」が高まる、という明確なものがあるわけではなく、そう単純なものではない。だがよくよく考えてみると、自分の限界を受け入れたり、他者から学んだり、対話を通じて新たな知恵を生み出す等のことは、まさに本や映画などによって描かれることが多いテーマでもある。

今の時代、採用では会社の考える理想的な学歴・スキル・キャリアを積んだピンポイントの人が来ることは奇跡に近い。会社に来てくれる・集まってくるメンバーありきで、それぞれの個性を踏まえ、チームとしてどのようにワークさせていくのか、の方が現実的で重要だったりする。今後、その傾向はさらに加速していくだろう。その時「知的謙虚さ」は重要なファクターとなっているはずだ。


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