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これからの時代に必要な「嗅覚」とは何か?

こんにちは
イデアレコードの左川です。

社会というのは常に危険やリスクと隣り合わせである。4歳の娘も社会(公園)に出て、楽しさと同時に隣り合わせになる危険というものを目の当たりにしている。その中でビジネスというのは魑魅魍魎がはびこる混沌とした世界である。漫画「へうげもの」を読んだことはあるだろうか?戦国時代では茶道具は権力の象徴であり、茶会の場で様々な交渉が行われていた。茶会での一挙一動で国の命運が変わったり、誰かの命運が決まったりということもあった。ビジネスでは単なるやり取りのように見えて、水面下では様々な思惑が入り乱れた交渉が繰り返されていたりする。そういう点ではビジネスというのは茶会に近いのかもしれない。

「ビジネスで成功するために何が必要か?」と聞かれたら、自分は「嗅覚」であると答えるだろう。儲かるビジネスを見つけるためのセンスであったり、失敗をしないための勘であったり、相手を見抜く力だったり、運だったりいろいろな要素が複合的に組み合わさるが、それを一言で言うならば「嗅覚」ではなかろうか。また同時に「これからの時代で生き抜くために必要なものは何か?」と聞かれても「嗅覚」であると答えるだろう。今回はこの「嗅覚」について考えてみたいと思う。


「頭の良さ」と「嗅覚」はイコールではない

まず学歴がすごかったり、頭が良い方が「嗅覚」が優れているかというとイコールではない。むしろ真面目だったり、知識が高かったりするがゆえに現実世界に疎くて「嗅覚」が鈍いということも往々にしてある。また高学歴な方にありがちなのが、小さい頃から上級的な場所だけのコミュニティで過ごしていることで温室育ちとなってしまい、考え方も価値観もまったく異なる人たちに駆逐されてしまうこともありがちだ。「九条の大罪」ではカモにされている病院経営者が出てくるのも偶然ではないだろう。

学歴としては華やかではないが、ビジネスで成功している方も多い。そういう方々はお金を儲けるためのビジネスセンスが長けている。徹底的に利益を追求したり、競わせることで売り上げをあがていく仕組みなど、そのあたりのテクニック的なものは心理学的には立証されているものもあったりするのだが、おそらく感覚でやっている人も多いだろう。お金を儲けるとはどういうことなのか、人はどうしたら動くのか、どうやったら思い通りに動かせるのか…そういうことを無意識に出来る天性のものなのかもしれない。そういった方々に共通しているのは「嗅覚」が優れているということだ。

「嗅覚」とは何か

「嗅覚」を言語化していこうとすると多岐に渡ってしまって捉えどころがないものになってしまう可能性がある。そこで本記事では「嗅覚」として欠かせない重要なものは何か?という形でアプローチをしていきたいと思う。

【状況を正しく把握する力】

「状況を正しく把握する」というのは実はかなり高度なものだと思う。状況というのは単に目の前のことをいうのではなく、刻一刻と変化をする社会情勢も含めて、今の状況を捉えるものである。また状況を正しく理解するうえでは、物事に対する外的要因と内的要因を正しく認識したうえでその微細な変化を逃がさずに捉えなくてはならない。このあたりの変化というのは明確な兆候や数字的な変化が必ずしもあるわけではないので、ロジカル且つ感覚的にうまくバランスを取りながら捉える必要がある。

また社会では短い波が断続的に発生ながら大きな波となっていることが多い。瞬間風速的なブームや社会現象などが繰り返し発生をしていきながら、googleの検索エンジンやスマホ・生成AIの誕生などのような社会の流れを変えるようなインパクトのあるものが長いスパンで発生している。その中でビジネスで儲かるというのは状況を正しく把握することが求められる。儲かるビジネスというものも度々発生するが短期的なことも多く、初期に始めた人たちだけが儲かるということも多い。

「嗅覚」が鋭い方はこういう儲けるものをいち早く見つけ、すぐに行動をして、儲からなくなる前にやめる。また情報商材に代表されるような不特定多数の方に原価の掛からないものを大量に販売していくスキームも複数仕込んでいる。そして次のビジネスになる芽を育てたり、カモを探しているわけである。また、「嗅覚」によってこれらから狙われたときに回避することも可能となるとも言える。

【相手の先の先を読む力】

「先の先を読む力」というのは複合的な力である。格闘漫画の「ケンガンアシュラ」では「先読み」「先の先」といったワードが出てくる。「先読み」とは高度な攻撃予測技術であり、事前に相手の動きを読み、相手が動く前に攻撃を回避するということ可能とする。それによって身体能力が劣っていても互角以上に戦うことができる。「先の先」は敵の気の起こりから攻撃を見切り、相手の攻撃が来る前に回避するといったものである。圧倒的な経験を積んだうえで徹底的な観察の上で見切るのである。つまり、先の先を読むために前提となるが観察眼となる。

観察眼というのは「身体」「心情(頭の中)」両方を徹底的に読むことにあると思う。人間の身体は状況や身長などによって些細な変化が出てくる。それらを踏まえて相手が何を思い何を考えているのかを読んでいくわけである。だが心情把握に長けている方は相手が想定した動きをするように仕向けていくことも同時に行っていたりする。どんな情報を発信していくのか、どういう状況を作っていくのか、どんな言葉を投げかけるのかなどを駆使して、相手の動きを制御していくのである。そして結果として「先の先を読んでいる」ことになるわけである。

【物事を因数分解する力】

よく騙される人というのは繰り返し騙されることが多い。性善説で物事を捉えすぎたり、親切なフリをして近づいてきた人を何の疑いもなしに信じてしてしまったりする。大事なのは「なぜ?」と疑問に持ったうえで論理的な回答を導くことだ。

「この会社はなぜ無料でこんなことをするのか?」ビジネスである以上は利益を追求しなくては存続はできない。どこかに利益を生み出すための仕掛けがあるはずだ。それは広告かもしれないし、有料オプションへのフックかもしれないし、従量課金の何かかもしれないし、別のサービスへの誘導かもしれないし、そんな風に構造を分解することが必要だ。
「なぜこの人は儲け話を自分にするのか?」簡単に儲けられる話なんてものはめったにない。ましてそれを他人に教えることのメリットもまったくない。ではなぜそれを教えてくれるのか?そこには必ず裏があるはずだ。その人にキャッシュバックがあるのかもしれない。ではそのお金の出処はどこになるのか?と辿っていくことが必要だ。

そんな風に物事を因数分解していくことで、解像度は上がっていく。そのときに感じる違和感や疑惑というのがまさに「嗅覚」に通じるものとなる。

「嗅覚」は磨くことができるのか?

「嗅覚」とはビジネスを成功させるために大事なものであると同時に、これからの時代を生き抜くための必要なスキルとなっていると言える。

「嗅覚」とはどういう場所で身に着けることができるのか?というのは一概には言えない。だが「修羅場を乗り越えた人間というのは嗅覚がある」ということは言えるのではないだろうか。漫画の例ばかりで恐縮だが「平和の国の島崎へ」の主人公はまさにそれであると思う。幼少期に国際テロ組織に拉致され、戦闘工作員となった男・島崎真悟。30年の時を経て、組織からの脱出に成功した彼は故郷である日本に帰ってくる。島崎は日常の中でちょっとした変化や違和感などを肌感覚で感じ取り、危機を回避していく。極限状態になったとき人は感覚が研ぎ澄まされていく。だが本当の修羅場というものはなかなか出会えるものではない。そうすると意図的にそういう状況を作り出していくことが問われる。

スポーツの真剣勝負というのはその一つであろう。有名なバンカーとなった半沢直樹は「嗅覚」が優れた人間であると思うが、彼は剣道部出身という設定となっている。ドラマでも剣道シーンが道場している。目の前の相手に全力で集中し、相手の行動を読み、行動していくという真剣勝負を繰り返し行うことで、その感覚が研ぎ澄まされているのではないだろうか。

他にも人間との壮絶な戦いを疑似的に行いサバイバルゲームや自然との闘いであるキャンプなどある。ビジネス本を読んでいるだけでは「嗅覚」は磨かれてはいかないはずだ。

これからの社会およびビジネスで生き抜いていくためにはより「嗅覚」が問われていくに違いない。いつ自分の身に降りかかってくるかわからない危険やリスクに対して後悔しないように「嗅覚」を磨き続ける必要があるのではなかろうか。

この記事が何かの足しになってくれれば幸いである。


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