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神話の地ギリシャ旅行記(8)デルフォイ連泊


絶景の夕食

9/5その4。もう一歩も歩けないのではないかと思うほど疲れてホテルに戻る。連泊なので荷ほどきしなくていいのは本当にありがたい。
しかし、このまま寝てしまうことはできない。夕食はデルフォイの通りの向こう端近くにある、先生ご推奨のレストランだからだ。
シャワーして着替えて、なんとか歩いて行く。道の両側には土産物店などが並んでいる。

夕暮れのキラの港。デルフォイのレストランから。

レストランの入り口から階段を下ると、テラスの最先端に席が用意されている。先生も「こんないい席は初めて」と仰る。
前日と同じように、数人で取り分ける形式で、前菜が次々と出てくる。

前菜その1 焼いたチーズとトマトのジャム。
前菜その2各種ペーストと前菜その3ドルマ(左上)

ドルマはギリシャの名物料理で、葡萄の葉を使ったちまきのようなもの。私は何かで読んで「ドルマデス」という名前で憶えていた。
サラダは私の大好きなフェタチーズ(ギリシャのヤギチーズ)+トマト+キュウリをベースにしているが、チーズが塊のまま上に載っている(タイトル写真)。これを崩して食べる。

メインはスブラキと呼ばれる串焼き。昨年トルコ旅行で食べたものより何となくあっさりと感じる。

イリアスにはしばしば肉を焼いて食べる描写が出てくる。

羊と肥えた山羊の背肉と、肥えて脂のよくのった豚の腰肉を(中略)、おきを敷き並べてその上に串を置き、串の両端を串台に支えて、聖なる塩をふりかける。焼き上がると大盆に盛り、パトロクロスがパンをとり、美しい籠に入れたのを四脚机の上に並べると、肉はアキレウスがそれぞれの分をとりわける。

松平 千秋. ホメロス イリアス 上 (岩波文庫) (p.232). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

英雄手ずから焼いた串焼きはどんな味だったのだろう。

デルフォイの目抜き通り

日暮れて星も見え始める。古代でも港の灯りが見えただろうか。

ホテルへと戻る道は、来た時と同じ。大勢の観光客が歩いている。
同室のSさんが昨日寄ってみたというお店にほかの人達と一緒に入ってみる。様々な土産物が並んでいて、何を買ったらいいか見当がつかない。
黒い陶器のカップで中に突起のあるものの値段を聞いてみた。
「それは面白いカップだ」と言われた(ようだ)が、絵柄が何となくピンと来なくて、隣の赤紫の方にする。こちらは突起がなかった。それと財布代わりにするポーチを買った。

1軒の衣料品店に先生と他の参加者の人達がいるのが見えて、私も入ってみる。
宿泊最終日にはアテネで「古代ギリシャ料理」を食べることになっていて、その時には古代ギリシャっぽい恰好をしよう、という話が旅行前に出ていた。買うならデルフォイがチャンスだという話もあった。
私は自作のキトンを持参するつもりだったのだが、出発前日に荷物重量を心配しておいて来てしまっていた。

店には古代ギリシャ風の白いワンピースがたくさん置いてある。
それらに混じって、四角い渦巻き模様(メアンドロス文様)を描いた青色の薄手の長衣があった。何度も迷ったが、どうしても気になって買い求めてしまった。

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