見出し画像

神話の地ギリシャ旅行記(7)デルフォイ


アポロンの神域へ

9/5その3。前門のアテナ女神にご挨拶して、元の道を戻る。降りて来たから距離はわかっているが、朝からの行程でそろそろ体力が切れてきた。

両側には大量の柱や礎石が並ぶ。神殿、神官の家、宝庫等々。

バス道に戻り、少し町側に歩くと「カスタリアの泉」跡がある。思ったより大きい。参拝者はここで手などを清めたという。左手に今も湧水が汲める蛇口?があったが、石灰岩からの湧き水はもちろん硬水。
飲んでみたいと思ったが、体調を崩すのが怖くて諦める。

泉跡。今は入れないが、階段を下りて水を汲んだのだろう。

このあたりから奥のアポロンの聖域へと登って行く。アゴラ、オンパロス(世界の臍石)、巫女シビュレの岩など、さらに参道の両側には各都市が寄進した宝物庫が所狭しと並ぶ。ひとつひとつ立ち止まって眺めたいが、そんな余裕は全くない。

石をつなぐ鎹(かすがい)など高度な建築技術の跡が残る。
アテネ人の宝物庫は復元されている。2本の柱はドーリア式。

アポロン神殿

聖地デルフォイに来てから一夜半日余り、ようやく御本尊のアポロン神殿が見えてくる。
数本の柱が復元されている。暁闇にキラから登った参拝者は朝日に輝く姿を見ることができたかもしれない。

さらに神殿の上に登って、遺構全体を眺めるか、ここまでにしておくかを聞かれて、正直迷った。
この時私は、博物館がその上にあるのだと思っていた。博物館を諦めることはできない。
足を励まして上への道へと東に進むと、プラタイアイの戦勝記念の「蛇の柱」のレプリカがあった。本物はイスタンブールにある。

昨年のトルコ旅行で見て「これをデルフォイで見たかった」と思った「蛇の柱」

さらに登ってアポロン神殿の全容を見下ろす。その先は今登って来た深い谷だ。こんな場所によくこれだけの建造物を、と感心する。
いや、この場所を自らの神託所としたアポロンの明智を讃えるべきなのだろう。

さらに上には円形劇場があり、その上には競技場がある。上からの眺めはすばらしいと聞いたが、博物館は一度バス道路に降りて行くと聞いて、円形劇場の上までは行かなかった。

円形劇場の説明をしてくれている敏腕ツアーガイドのソノダさん。

デルフィ考古学博物館

ここの博物館には、この遺跡の数々の出土品が納められている。ギリシャ全土はもちろん、地中海全域のポリスからの奉納品が無数にある。
午前中に訪れたテーバイ博物館とはまた異なった意味で、「全ギリシャ」があるともいえる。

破風のレリーフ。上段には巫女の椅子を奪おうとするヘラクレスが描かれている。
石碑に刻まれたアポロン賛歌の「楽譜」
数々の見事な青年像

博物館の主な収蔵品はこちらのサイトで見られる

ホテルに戻る。
だが、長く充実した「初日」は、これで終わりではなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?