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神話の地ギリシャ旅行記(5)テーバイ
デルフォイの夜明け
「薔薇の指さす暁」は、イリアス(呉訳)に頻出する大好きな言葉。
— まごっと (@officemaggot) September 19, 2024
松平訳では「指薔薇色の暁」、土井訳では「薔薇(そうび)色なす指持てる」など、どの訳も皆美しい。
暁女神エーオースが光明神アポローンのしろしめすデルフォイにて一日の始まりを告げる。#本気のギリシャ神話ツアー pic.twitter.com/e9Z9sH3vz9
9月5日。朝食前にホテル前の道に出て、ギリシャ初の朝を迎える。
このすぐ上(道路左)がデルフォイ遺跡、右は深い谷。
神域の静けさと、くっきりと鮮やかな空の色が似つかわしくて、ついつい先へ行きたくなる。
だが、今日はテーバイ、アウリス、オイディプスの3叉路と、普通のツアーではまず行けない重要ポイントを巡って、午後にはこのデルフォイ遺跡を見学する盛りだくさんのスケジュール。
体力を温存しなければ。戻って朝食をとる。
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七門の都テーバイ
宿を出たバスは景勝地アラホバを通って、テーバイ(テーベ)へ。
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ギリシャ神話ではテーバイは重要な都市だ。
カドモスから始まって、ディオニュソス、オイディプス、ヘラクレスなど、錚々たる英雄や神のゆかりの地であり、やがて「七門の都」と詠われる。
門が7つ、つまりこの町から7方向への道がある交通の要衝にあり、それだけ繁栄していたということだ。
【神話】
オイディプス王がテーバイを去った後、その双子の息子は王位を争った。
負けたポリュネイケースはアルゴスに逃れ、王の娘婿となった。
王は彼に協力して、他5人の武将とともに軍を率いてテーバイの7つの門を囲んで攻めた。
しかしこのテーバイ攻めは失敗に終わり、七将の内生還できたのはアルゴスの王一人だった。
だが、現代のテーベは観光ガイドブックの索引にすら乗っていない。
以前「テーバイには何もない」と聞いて、私は荒れ野を連想していた。
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それは全く逆だった。
テーバイはあまりにも立地が良いので、石器時代から人が住み、古代から現代にかけてずっと人が住み続けている。
そのため発掘が難しく、「遺跡」があまりないということのようだ。
小綺麗な街を目にして、現地を訪れる意味を改めて感じる。
驚異の考古学博物館
そして、ツアー一つめの博物館「テーバイ考古学博物館」へ。
とんでもないところだった。
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石器時代から古代にかけての展示物。彫刻・レリーフ・この記事のタイトル画像のような見事な陶器などが、神話やテーマごとにまとめられるほど大量にある。
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しかも、博物館の建設時に発掘された遺跡(住居跡)を、地下にそのまま残してあって、半屋外や床のガラス越しに見られるようになっている。
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最初にこの博物館に来たことで、歴史の流れがざっくり把握できたと思う。
ここだけを見に来てもいいぐらいだと思ったが、今日はまだ始まったばかりなのだった。