飲食店の開業資金を賢く借りる方法(プロ向け記事)
料理の腕や接客スキルだけでは、飲食店のオーナーになることはできません。まとまったお金が必要です。
しかしまとまった現金を持っていない人でも、飲食店の経営を始めた人はいます。そういった人たちは、お金を借りています。
「借金は恐い」と感じるでしょうか。その感覚は大切ですが、お金を借りて自分に投資することは、1日も早く自分の店を持つためには欠かせません。
そこで賢いお金の借り方について考えてみたいと思います。
開業資金を借りる、とは
開業資金とは、飲食店を開くのに必要なお金のことです。飲食店を開くには、少なくとも次のものを用意する必要があります。
・店舗になる物件を借りる
・店舗の改装
・水道、電気、ガス
・原材料
・調理器具や食器、テーブル、椅子
・スタッフ
・自分の生活の確保
これらはすべてお金がかかります。しかも開業当初は客の入りが安定しないので、しばらく売上がゼロ円でも耐え忍べるだけのお金が必要です。
開業資金は飲食店の業態によって異なります。特殊な調理器具を導入したり、高価な内装にしたり、人気の繁華街に出店したりすると、開業資金は簡単に「百万円の単位」で跳ね上がります。一方、実家を改装したり、居抜き店舗に入れば安く済みます。
そのため個人経営の飲食店でも、開業資金は100万円から1,000万円までさまざまです。
自分の店を開業するために必要な額がわかったら、次にそれをどのように調達するか考えます。
最も簡単で最も確実な方法は自分で貯めたお金を使うことですが、その場合、貯金が必要な額に達するまで店を開けないことになります。それではビジネスチャンスを逃してしまいます。
そこでほとんどの飲食店オーナーは、開業資金を借りています。つまり借金です。
いくら、誰から、借りたらいいのか
開業資金の全額を借金に頼ってしまったら、飲食店を開いた途端に資金繰りが大変になり、料理や接客どころではなくなってしまうかもしれません。
そのため、開業資金の一部は自己資金で用意しましょう。日本政策金融公庫によると、開業資金に占める自己資金の割合は、平均22%です。つまり、1,000万円で店をつくる場合、多くの人は自己資金(自分の貯金)として220万円用意している、ということです。
では残りの78%はどこから調達しているのかというと、金融機関の融資67%、親族からの借入れ6%、その他5%となっています。
つまり開業資金の半分以上は金融機関から借りているのです。
1,000万円で飲食店を開業しようとしたら、
・自分の貯金から220万円を投じて、
・金融機関から670万円を借りて、
・親族から60万円を借りて、
・その他どこかから50万円を調達する
というのが、平均的な姿です。
ただ「自己資金22%、金融機関融資67%」という数字は、飲食店以外の業種・業態も含みますし、なにより平均なのであくまで「目安」と考えておいてください。
自己資金以外はすべて借金なので、利子をつけて返さなければなりません。よって開業資金は「できるだけ自己資金を多くして借金を少なくする」のが鉄則です。
日本政策金融公庫とは
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