介護施設の看護師の「辞めない方法」と「辞めてよいとき」
介護施設の看護師の仕事って、病院での仕事と全然違う! 辞めたい!
介護施設に勤める看護師の退職について考えていきます。
看護師の多くは病院やクリニックなどの医療機関に勤めますが、介護施設に就職する人もいます。医療機関と介護施設では目的も利用者の状態も異なるため、看護師の働き方はかなり違ってきます。
介護施設の看護師がそのギャップに苦しむようになると離職につながってしまいます。
■この記事を読んでわかること
辞めたい理由
辞めてよい判断基準
離職を考え直す方法
離職したほうがよい場合
おすすめ転職先5選
転職で失敗しない方法
残るにしても辞めるにしても、介護施設の看護師にこの記事を読んでいただければ、より良い選択ができると思います。
介護施設の看護師を辞めたい理由は
看護師が介護施設を辞めるとき、その理由は人それぞれのはずです。ただ、以下に挙げる理由で辞める人が目立ちます。
■看護師が介護施設を辞めたくなる主な理由
人間関係のトラブル
仕事の責任が重い
残業やオンコールが多い
業務量が多い
給料が低い
人間関係のトラブル
人間関係のトラブルは介護施設だけでなく医療機関でも発生します。しかし介護施設の看護師は独特なポジションにいるので人間関係のトラブルも独特です。
介護施設のスタッフのほとんどは介護職員であり、看護師は少数派です。しかし医療・看護行為においては、看護師は介護職員に指示を出したり指導したりする立場にあります。
もちろん多くの介護職員は看護師の知識と経験を頼りにしているのですが、ベテラン介護職員と若手看護師の関係になると複雑な心理が働いてしまいます。ベテラン介護職員のなかに、若手看護師に指示されて「偉そうに」と感じる人がいても不思議はありません。
そして介護施設のなかでは介護職員の数のほうが看護師の数より多いので、介護職員VS看護師の対立になってしまうと看護師は不利になってしまいます。看護師が介護職員にいじめられる、といった事態も起こるでしょう。
仕事の責任が重い
介護施設の看護師の業務内容を知らない人は「介護施設の看護師の責任は、医療機関の看護師の責任より重くない」と思うかもしれません。確かに介護施設の看護師には、医療機関の看護師ほど重要な医療行為・看護行為を求められるわけではありません。
しかしほとんどの介護施設には医師がいないので、医療的な処置が必要になると看護師が第一責任者のような形になり、これは大きなプレッシャーになるでしょう。
介護施設の看護師には、医療機関の看護師にはない責任があるわけです。
残業やオンコールが多い
残業やオンコールは医療機関のほうが多いでしょう。しかし介護施設の看護師が「医療機関よりは残業やオンコールが少ないだろう」という先入観を持っていると、介護施設でも残業とオンコールが意外に多いと感じてしまい、辞めたいと思わせる原因になりえます。
また、クリニックではほとんど発生しない救急搬送やエンゼルケアも、介護施設では珍しくありません。救急搬送やエンゼルケアが苦手な看護師は、介護施設の仕事にストレスを感じるようになるでしょう。
業務量が多い
介護施設の看護師のなかには「自分の仕事は看護。介護は介護職員の仕事」と思っている人がいるかもしれません。しかし多くの介護施設で、看護師にも介護の仕事を任せています。
自分の仕事は看護だけと思っている介護施設の看護師が介護の仕事を命じられると業務量が多いと感じるようになり職場への不満が募ります。
給料が低い
介護施設の看護師の給料は、医療機関の看護師の給料より低めに設定されているのが一般的です。看護師もそれを知って介護施設に就職しているはずですが、それでも給料日になると「やっぱり安い」と実感してしまうでしょう。これも辞めたい気持ちに拍車をかけてしまいます。
介護施設の看護師が「辞めてよい」判断基準
介護施設の看護師が「辞めたい」と思ったとき、どこまで我慢したほうがよいのでしょうか。そして、どのような基準で退職の決断をしたらよいのでしょうか。
■辞めて良い判断基準4つ
時間外労働が多いのに残業代が払われない
肉体的、精神的に体調を崩している
人間関係が改善されない
仕事へのやりがいを感じない
時間外労働が多いのに残業代が払われない
介護施設でサービス残業が発生し、それが自身の許容度を超えたら辞めてもよいでしょう。厚生労働省も、介護施設のスタッフが不払い残業に不満を持っていることを把握しています。
もちろん、職場に溶け込むためにある程度のサービス残業は仕方がないと考えることもできます。しかし許容度を超えるほど苦しく感じたら、サービス残業は違法行為に当たる可能性もあるため、我慢する必要はないのです。
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf
肉体的、精神的に体調を崩している
肉体的、または精神的にきついと感じ、実際に体調不良をきたしてきたら辞める準備に取りかかってもよいかもしれません。健康を害してでも続けなければならない仕事はないからです。
病院の仕事に耐えられた看護師でも、業務内容がかなり異なる介護施設では頑張り切れないかもしれません。
人間関係が改善されない
人間関係が悪化しても社会人である以上、またはビジネスパーソンである以上、コミュニケーション・スキルを駆使して改善に努めるべきでしょう。
しかし自身では改善できないほど人間関係が悪化することもあります。また、人間関係のトラブルに巻き込まれて同僚や上司などに助けを求めても救済してもらえないこともあるはずです。
自身が努力しても職場の人間関係が改善されない場合、退職を決断してもよいでしょう。
仕事へのやりがいを感じない
看護師が「介護施設に来たものの、やっぱり医療機関のほうがやりがいを感じられる」と思えたら、もう介護施設で長く働けないかもしれません。介護施設で働いてみて初めて、看護師の主戦場は医療機関であると思えることもあります。
やりがいがないと働くモチベーションを持ちにくいので、退職を検討してもよいでしょう。
介護施設の看護師が離職を考え直す方法
看護師が「介護施設を辞めたい」と思っても辞めないほうがよい場合があります。しばらく我慢して働いてみると、介護施設看護師のやりがいがみえてくることがあるからです。
離職を考え直す方法を紹介しますので、もしこれを試して我慢できるようであれば離職を急ぐ必要はありません。
■離職を考え直す方法
経験を積むため、と思って様子をみる
自分を変えてみる
働き方を相談する
経験を積むために辞めずに様子をみる
もし介護施設の看護師が「病院やクリニックと全然違う」と感じて辞めたいと思っていたら、それは新しいことを経験している証(あかし)です。
新しいことへの挑戦には必ずストレスがつきまといます。知らない人たち、知らない仕事、知らないルールなどはすべて働くストレスになります。しかししばらく働き続ければ、知っている人たち、知っている仕事、知っているルールに変わるのでストレスが消えます。
病院やクリニックに勤めていた看護師が介護施設の仕事を経験すると、仕事の幅が広がるでしょう。この過程を乗り越えてこそキャリアアップが図れます。
自分自身に変えられるところがないか見直す
「辞めたい」と思う原因は、1)職場、2)自分、3)職場と自分の両方、の3パターンが考えられます。しかし人は誰しも自身の非を認めたがらないものなので、自分のせいで「辞めたい」と思っているのに職場のせいにしてしまうことがあるでしょう。
看護師が介護施設を辞めたいと思ったとき、まずは自分をみつめ直してみてください。自分から職場に溶け込もうとしたでしょうか。介護職員をリスペクトしているでしょうか。介護の仕事に積極的に取り組んでいるでしょうか。
同僚の仕事を理解したり先入観を捨てたりすると、ふと「良い職場かもしれない」と思えることがあります。
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