想像力を養う。それが読書。
おはようございます。今日の札幌は快晴です。そろそろ冬季うつの症状が出る季節。太陽の光をたくさん浴びましょう。
さて昨日、読書について書いたら思いの外、手応えがありました。嬉しいものです。
そこで今日は読書の効果として身につく想像力についてです。
私は福祉の世界で働いてきて感じていることがあります。それは他人への共感力や想像力を持っている人といない人の違いです。
程度の差こそあれ、読書をしている人はこれらの力が身に付いていることが多く、読書をしない人は想像力が弱いように感じます。
わかりやすい例として次の2つの文章を比較してみましょう。
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★山村暮鳥:風景 純銀もざいく★
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな
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★米澤穂信:山荘秘聞★
山荘の管理人屋島守子。仕事熱心で優秀な管理人だが山荘に主人や客が来ないため腕を振るう機会がないことに不満を感じている。
そんなある日、山中で怪我をした越智靖巳を助ける。やがて越智を探しに救助隊が訪れる。守子は張り切って救助隊をもてなすのだが、越智を監禁するように救助隊からその存在を隠す。
そして守子は越智に、触れれば切れそうに真新しい煉瓦のような塊を掲げ「これで、あなたの沈黙を買いましょう」
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いかがでしょうか?
読んで頭の中にイメージが湧きましたか?
山村暮鳥の詩は有名ですし、いちめんの菜の花が浮かびませんか?
こんな感じ?
一方、山荘秘聞は解釈に色々な意見が出た文章です。
※ここから山荘秘聞のネタバレがあります。未読の方はご注意ください。
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あなたは上記の太字下線の部分を読んでどのようなシーンが頭に浮かんだでしょうか。全文が掲載されていないので未読の方には難しいかもしれませんが文章に注目してほしいのです。
ある人は、守子が越智を【煉瓦のような塊】で殺そうとしたと理解しました。
ある人は(これは私も同意見ですが)守子が掲げたのは【札束】だと思いました。このお金を差し上げるので監禁していた事実を黙っていてくださいという意味です。
ここでポイントなのは【煉瓦のような塊】だけに注目するのか、【触れれば切れそうに真新しい】【沈黙を買いましょう】という部分に注目するのかです。
文字通り塊と捉えるか、深読みするかなのですが、どう理解するかでこの小説のラストは大きく意味が異なってきます。
主人公守子の気持ちに共感し、想像力を働かせることができるかどうかにかかっています。
これは現実の世界でも大きく役立つスキルです。
他人の気持ちに共感し、他人の話を想像力を以て聞く。
これは読書をすることで培われるスキルなのです。
もし興味を持たれたら、山荘秘聞をぜひ読んでみてくださいね。
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認定コーチ・カウンセラー・介護支援専門員
Skype・Zoom・LINEなどを使ってコーチング、カウンセリング・研修を行っています。
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